想 6 (ページ3)

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隆平の頬をそっと撫でる。気絶してるはずやのに、俺の手を追いかけてすり寄ろうとしてくる。

「隆平…」

なんやろ…涙が溢れてくる。そのまま、涙の流れるまま隆平の頭を撫でていると、そのうち隆平のまぶたが震えて、うっすらと目が開く。

「…忠義？」

ボーッとした瞳が俺を探し当てると、驚いた表情をして、次の瞬間には引き寄せられてきつく抱きしめられていた。

「忠義…ごめんな。怖かったな。僕が抱きしめてるから、安心して。」

「隆平…」

「うん…ごめんな…」

隆平の胸に頭を包まれる。安心からか、気持ちがほっとした瞬間、隆平にしがみついて泣いていた。

「忠義…」

腕に包み込まれて、自分の中にあった恐怖とか、怒りとか、整理できなかったものが涙と一緒に流れていく。落ち着いていく心。それと反対に今度は隆平が苦しそうにしだす。

「隆平…？」

「ﾊｧ…ごめん…な…」

そりゃそうや。犯人のあの獲物を狙うような視線。横で見てる俺だって固まってしまった。それを真正面から受けたんやもん。

「隆平、ありがとう。俺は大丈夫になったよ。ほら、おいで。」

「ｳｯ……忠義…」

震える背中を撫でながら、頭を包んでやる。でも、いつもみたいにパニックになることなく、静かに泣いて、その後すっと顔をあげた。

「忠義、ごめんな。でも大丈夫。僕…」

「うん。」

「え？」

「また会いたいんやろ？」

「え…」

「ちゃんと一緒におる。」

「忠義…」

驚きの後ににっこりと笑顔を作る隆平。世界一安心できる表情。俺が守るんやし。もう一度抱きしめてキスをする。

「俺の隆平や。」

「うん。わがままに付き合ってくれてありがとう。」

「わがままちゃうし。２人にとって必要なことなんやって思ってる。」

「うん。」

「あいつのせいでめちゃくちゃになってしまった人のためにも。」

「うん。…どうしよう。」

「なに？」

「また忠義のこと好きになってもーた…」

「ふふっ。俺、まだまだ魅力的になれるし。」

「困ったなぁ…心臓持たへん。」

「ちゃんと鍛えといてや。」

「ふふっ。うん。」

その後、刑事さんと話をして、また機会を作ってもらうことにした。

「わかりました。丸山さんの想いを大切に前向きに検討します。少しまた時間がかかるかもしれません。連絡を待っていただけますか？」

「はい。本当によくしていただいて、ありがとうございます。」

「いや、こちらこそ捜査の協力、ありがとうございます。」