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「こんなに優しい人いてないねんで、忠義。」
「そう？」
「うん。僕、奇跡の出会いをしたんやから。」
「偶然やなぁ。俺もやで。」
「え…(笑)」
「(笑)。隆平、顔見せて。」
「だめ。泣いてぐちゃぐちゃやもん。」
「いいよ。早く！」
グッと顔をあげられると久しぶりに見る忠義の顔。
「忠義…」
「ん？」
「格好いい…」
「ふふっ…なにそれ？」
「好き。」
「ははは。もー！照れるやんかぁ。」
頬に手を伸ばす。ちゃんと居るわ。ほんまにこんな格好いい人いてるんや…
「だからぁ…」
ボーッと見つめてたら、いつの間にか触れあう唇。なんて幸せなんやろう。気持ちが一気に高揚する。
「ん…」
忠義の激しいキス。久しぶりすぎてすぐに何も考えられなくなる。ただ求められることに答えたくて必死に追いかけるのに、結局忠義の思うまま探られて、いつの間にかまた胸の中におさまってる。
「かわいい。」
おでこに落とされるキス。何度も何度も繰り返されて、愛されてることをひしひしと感じる。
「はぁ…。」
「ん？今度は何のため息？」
「もっと可愛く生まれたかった。」
「ええ！これ以上！？」
「ええ！おっさんやん！」
「あー！おっさんって言ったなぁ！！俺のもんにいちゃもんつける奴は許さん！」
「…忠義のあほ。」
「は？」
「…うれしい。」
「ん？んっ…」
うれしすぎて、どうしたらいいかわからなくて、僕からめちゃくちゃにキスをする。一瞬驚いた忠義がフッと笑顔になって僕のこと受け入れてくれる。永遠にこの時間が続けばいいのに…
「隆平…ﾁｭｯ。きりがないな。」
「うん。」
「明日も明後日も休みやけど、どうする？」
「え…忠義とこうしてたい。」
「ん〜…ご飯だけ食べに行こ。なんもないよ、うち。」
「あ、そっか。」
「うん。デートしよ。」
「手…繋いでいい？」
「うん。指輪もして。立てる？」
「うん。ありがとう。ん…？あれ…？」
「どうしたん？」
「忠義…なんか痩せた？」
「え！！」
「え！？」
「いや！痩せてないよぉ！やつれたんかな…」
「え、なんかあった？」
「いや、楽しかったよ。でもそりゃあ、忙しかったし、隆平もいてないし、大変は大変やったからさぁ。」
「そっか。忠義、お疲れ様。」
「ありがとう。隆平もお疲れ様。」
「ありがとう。」
「ほんまはお酒が飲めたらいいけど、ちょっと不安定やから止めとこな。」
「ん〜…うん。」
「ははっ！またいつでも飲めるやん。行こう。」
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作者名：orange | 作成日時：2021年3月26日 22時
