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「隆平…」
「だから、駿佑も。誠心誠意、駿佑が彼女のために出来ることをやっていったらいいねん。きっと伝わるよ。」
「兄さん…」
「隆平。格好いい。」
「ふふっ、そう?」
「うん。あ、そうや。明後日、帰ってきてからすぐに展示の準備をするって言ってたで。手伝いに行ってあげたら喜ぶんちゃう?」
「迷惑じゃないですか…?」
「連絡してみって。」
「はい。」
「あ、それと、亜希はディズニーが好きらしいで。大阪におったし、今は今で外国やからなかなか行かれへんねんって言ってた。」
「おお!有力情報やん。駿佑、頑張って誘いや!」
「はい…とりあえずやってみます!」
駿佑と別れて、家でいつものように寛いでいると、亜希ちゃんからの大量メッセージが送られてくる。
「ふふっ。忠義、このメッセージ見て。」
「ん?ふふ。亜希めっちゃ焦ってるやん。」
「うん。駿佑、ちゃんと手伝いも申し出て、ディズニーも誘ったんやな。」
「そやな。これ、端から見たらもう両想いやんか。」
「うん。知らないのは自分らだけ。」
「俺らもこんなんやったんやろな。」
「そうやな。」
「隆平。チュッ。幸せが広がって行くのって、なんかうれしいもんやな。」
「うん!亜希ちゃんには、全部OKしなさいって送っとくわ。」
「ん。じゃあ、隆平はこっち。チュッ。もう寝よ。」
「一緒に…寝るだけ…?」
「なに〜?平日ですけどぉ?」
「たぁ…」
「もー!明日どうなっても知らんからな!」
「うん…」
週末、忠義と2人で亜希ちゃんを訪ねる。
「亜希ちゃん!作品展おめでとう。」
「丸山さん、お花もいただいて、ありがとうございます。お兄ちゃんもありがとう。」
「うん、あとこれ、皆さんで食べて。」
「あ、うん。ありがとう。」
「わっ…なにこの特大のお花…あ、駿佑からや。」
「そうなんです…。ふぇ〜…私、どうしたらいいんでしょうか?」
「亜希!他にも人いてはるんやから、後にしよ。昼一緒に食べようや。」
「ん…わかった。」
作品展は若手のアーティストの作品が集められていた。きちんと世界観のあるものが多くて、結構実力派の作品っぽい。その中で、ものすごく爽やかな清々しい作品が目を引く。
「亜希ちゃんの作品か…」
「え?」
「いや…レベルがちゃうな、亜希ちゃん。」
「そう?」
「うん。これは…好きやな…僕。」
「爽やかやな。」
「ふふっ。うん。僕もそう思う!」
「ほんま?俺の鑑賞力も上がってきたな。」
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作者名:orange | 作成日時:2021年3月14日 20時