缶ビール

二十四杯目 ページ24

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だいぶ涼しくなってきた夜の道を


途切れ途切れの会話でつなぐ


ずっと2人でいられたらなぁとか思ったけど


これ以上オカザワさんといると苦しくなるし迷惑かけてしまうから


ここで大丈夫ですって言おうとした




オ「そうや、ここら辺薬局ってある？」


「薬局、ですか？」


オ「うん、ないかな？」


「ちょっと待ってくださいね、」


オ「歯磨き粉がな、家にないねん、うん」




意外というか、拍子抜けというか、


変化球が飛んできた


歯磨き粉なんて今買わなくても、とか思いながら携帯で調べる


あ、なつこが言ってたの使えるじゃん


そう思ったけど、なぜか使う気にならなかった




「あ、ありました、」


オ「ほんまに？どれ〜？」




え、え、ちょっ、近くない！？


これです、って見せようとしたら


逆に覗き込んできて


お互いの肩が触れ合う




オ「あーこれ現在位置？」


「は、はい、！」


オ「近いな、」


「ち、近い、ですね、」


オ「ん？」




画面を見ていた目がいきなりこっちを向いた


見せてって言ったら携帯を渡したのに


なつこと話してた事が全部筒抜けなのかってくらい


全てを見透かしてるような目が綺麗で


行動があざとくて


落ち込んでたことも忘れて鼓動が速くなる




オ「どしたん(笑)」


「え、？？」


オ「めっちゃ固まってる(笑)」


「あ、いや…」


オ「薬局、寄っていってもいい？」


「はい！大丈夫です、」




心臓の音、聞こえなかったかな


一瞬近づいたオカザワさんの顔が


頭から離れない









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「あ、もっとちゃんとメイクしとけばよかった」

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