17ー真琴sideー ページ19
プールのあみにペンキ塗ってると
江「ジュースここに置いときますね」
江ちゃんが来た
真琴「ありがとう」
江「でも不思議ですよね」
こうちゃんは座りながらそう言う
真琴「なにが?」
そう聞くと
江「なんで1年生の時水泳部
作ろうとしなかったんですか?」
真琴「…ハルがあんまり
乗り気じゃなかったんだよ
Aはハルか俺の片方しかやらないなら
やらないって言うし」
江「あんなに泳げるのに?」
真琴「中学は水泳部に入ってたんだけど
ハルとA1年の終わりになったら
急に退部するって言い始めて」
江「何かあったんですか?」
真琴「さぁーね?
聞いても話してくれなかったから
同じ時期にスイミングクラブも
潰れちゃったし
ハルとAはそれ以来競泳はやってない」
そう言うとこうちゃんの視線が
ハルとAにいった
江「水泳、やめようと思ってたんだ…」
真琴「うん、多分ね」
江「お兄ちゃんも同じなのかな…」
真琴「え?」
江「この前お兄ちゃんに会いに行ったら
水泳部にいなくて鮫柄学園に転入したけど
水泳部には入ってないみたいなんです」
真琴「そんな!だってこの前
ハルとAと競走して…」
江「きっとそこで負けたんですね
それでお兄ちゃん水泳が
ダメになったんですよ」
真琴「いや、違うそうじゃないよ
だってあの夜の勝負は」
今でも思い出す。あの夜の勝負のことを
真琴『やっぱりすごいよ、ハルA』
渚『うん、ターンの度に
付けられてた凛ちゃんとの差が
もうあんなに縮まってる!』
真琴『最後のターンに入る!』
渚『差は!?』
真琴『ほぼ同時!』
渚『並んだ!!』
真琴『いや、ターンだと
凛のキック力の方が有利
…ハル、A』
ハルはそのまま泳ぎ続けたけど
Aはターン後
泳がずその場に浮いていた
渚『A!?』
真琴『何やってるんだ、A』
渚『あ!ハルちゃん!』
真琴『ハル!』
凛『しゃあ!!』
江「ええ!?お兄ちゃん勝ったんですか?」
真琴「そうだよ!凛から聞いてなかったの?」
江「何も言ってくれないから
てっきり負けて落ち込んでるのかと
思ってた」
真琴「たしかに…あんまり勝ったって
感じじゃなかった
どっちかっていうとハルの方が…」
248人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りんご | 作成日時:2018年6月8日 20時