20話 ページ22
一太のあとを追うAだが
行き先はわかっていたようで
貴「…やっぱりここにいた」
一太「…A」
貴「…いっくんが
ケーキが嫌いな理由私わかった」
一太「え…?」
貴「千…お兄ちゃんがケーキばっかで
自分よりケーキの方が大事だって
思っちゃって寂しかったんでしょ?」
一太「…なんでわかんだよ…」
貴「…私もいっくんと同じ」
一太「え?」
貴「私もいっくんと同じ頃そう思ってた
お兄ちゃんは私より友達が大事だ…とか
私よりケーキが大事だ
私なんか…って」
一太「Aも
俺みたいな時期があったんだな」
貴「まーね、いっくんの気持ちはわかるから
だから、大丈夫」
一太「…A」
《ガランッ》
天野「一太くん!Aちゃん!
いいもの持ってきたよ!」
机の上には天野が
持ってきたケーキがいっぱい乗っていた
一太はそれを見てヘラを落とす
一太「な、なんで…
ケーキなんか持ってきたんだ…」
貴「…いっくん」
天野「ただのケーキじゃないわ
うちのサロン・ド・マリンの激うまケーキよ」
貴「…天野、それしまって」
天野「大丈夫大丈夫!」
一太「ケーキは嫌いだって言ってるだろ!」
天野「1個でいいから食べてみて?」
貴「…やめて!」
天野「いちごのムースなんてどー?」
一太「いらないって言ってるだろ!」
一太はケーキを払い壁に…
すると
安藤「一太!」
天野「安藤くん…」
安藤「食べ物になんてことするんだ!
それでも和菓子屋の息子か!」
一太「うちは和菓子屋だろ
ケーキなんてどーだっていいだろ!」
Aはその時嫌な予感がしたのか
一太を自分の方に引いたその時
《バチンッ》
安藤が手を挙げた
安藤「え、あ、A…」
Aは一太を庇い
安藤はそのためAの頬に軽く当たる
貴「…いくら弟でも
弟に手あげたらダメだよ」
Aはそう言い
一太を抱えて部屋から出ていこうとすると
Aの腕の中から
一太「…やっぱり兄ちゃんは
ケーキのほうがいいんだ…
千兄もケーキも大嫌いだ!」
そう言いAの着てる着物をギュッと握り
Aの肩に顔をぐっと抑える
天野も安藤もそれを見ることしかできなかった
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マナ(プロフ) - 質問いいですか? (2020年12月17日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご x他1人 | 作成日時:2018年11月22日 15時