【op】アンラッキーとラッキーは釣り合わない (ページ8)

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再会ページ8

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笑っているであろう顔を睨んでいたら、後方が明るくなってきた。そんなに時間が過ぎていたのか、全く気が付かなかった。

夜が明ける

水平線の向こうからゆっくりと太陽が顔を出し始める。朱色の光に照らされてキラキラと波立つ水面が光っている。

「綺麗だな」

「うん。私、早朝の海が一番好きだな...」

後ろに立つ彼も私と同じく、ジッと日の出に魅入っているようで、その後暫く何も言葉を交わすことなく見ていた。

「あ、約束も済んだことだし」

太陽がもう少しで地球と離れそうになったとき、彼が口を開いた。

「改めて、名乗らせて貰うぜ」

表面張力のように未だ危なく繋がっている。

あと、もう少しで離れるのだがその"少し"が長く感じられる。

何でだろう、不思議だな。

「ポートガス・D・エースだ。よろしくな。」

プツ、というようにやっと離れた太陽が赤ん坊が産まれたかのようだ。

彼の言葉に目を丸くする。

「え...？」

ゆっくりと後ろを振り向けば、私の記憶よりも少し日に焼け、随分逞しくなったソバカスの幼馴染みがいた。

その顔がみるみるうちに驚愕していく。

「お、お前...A？なのか？」

コクコクと彼と同じ表情のまま頷く。

「...エースだ...あはは、エースがいるよ。すごいな、夢みたい...」

まさか、こんな広い海の上で会えるなんて

「A！！」
「うぉ！！」

やっと状況が理解できたのか、パッと顔を輝かせたかと思ったら、いきなり抱きついて来やがった。あれ、エースってこんな素直なやつだったっけな？

「久しぶりだな！お前、臭ぇな！」

「久しぶりだよ！悪かったな！ずっと体洗えなかったんだよ！数年ぶりにあった昔馴染みへの一言がそれか！」

手加減なしでエースの頭に拳をめり込めば、うずくまって痛がった。やった！火拳のエースの膝を地面(船底)に着けましたよ！

「いってーな、てか、お前やっぱり不運は相変わらずなんだな！なははは！」

「そっちこそ、余計な一言も相変わらずですこと！元気そうでなにより。むしろ、元気過ぎるくらいだよね、こんな下っぱの耳までエースの悪行が届いてるからね！」

「悪行って、お前なぁ。にしても、Aが海兵なぁ、大丈夫なのか？あ、現に今大丈夫じゃなかったな！ははは！！」

何がそんなに面白いのか、涙を流しながら洗うエースに、私はもう言い返すのが面倒になってきた。久しぶりに再会したはずなのに。

さっきちょっと感動して泣きそうになったのが恥ずかしい。