【あほの坂田】化けだぬき症候群【うらたぬき】

１２話 ページ15

「咲夜さん、捕まりたいんですか？……いや、捕まってください
　さっき自分で言ってたやないですか。悪い事やって」

あれ、今来ましたよ感丸出しだったけど、話聞いてたんだ

「学校に突き出したら大学進学どころじゃないですよね？」

咲夜さんの顔はどんどん青ざめる

「せっかく推薦貰えたのに……」

「……」

青ざめた顔のまま
カッターを持ったまま

家を出ていった

「バレなきゃいいとか思っとったんやろうけど……
　わざわざ人連れてくるとか思ったよりバカやな〜」

思ったけど何も言わないでおく

「……帰りましょう？犯罪者の家とか長居する所じゃないですよ」

「せやね」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿


「ゴメンな、うちの咲夜さんが迷惑かけて」

既視感(デジャヴ)

「いえ……あの、うちのって……？」

「なんか誤解してるっぽいから言うけど、僕２年やで？」
「え」

よくよく見れば制服は一緒だし、なんかどっかで見た事もある

気のせいかと思ってた……身長高いし。３年かと。

「……誤解してたわ。ゴメン。」

「で、さらっと流されたからもう一回聞くけど、咲夜さんとどんな関係？」

「中学の部活の先輩」

何故か棒読みで言う

何かあるんじゃないかな

「……本当にそれだけ？」

「……よう気付いたね。向こうは付き合ってる言うて勘違いしとる」

何かメンドクサそうな関係だな、と思ったけどあんまり人の事言えないよな

ニセ彼氏と本当に付き合ってる付喪神彼氏だなんて

「あ、多分今僕の名前センラやって思っとるやろ」

「違うの？」

「本当は千里って名前。でも咲夜さんと初めて会った時聞き間違えられて」

「『センラ君』って」

まあ分からなくもないけど

「Aちゃんもセンラでいいで？」

「……じゃあセンラ君で」

「まあいっか」


何時の間にか私の家に着いていた


「あれ、センラ君の家は……？」
「あっち」

指差したのは最寄り駅

私はお財布の事を考えて電車２区間を歩いているのだけど

「……もしかしていつもは電車通学だったりする？」

「別に大丈夫やし、謝らんといてや？」

「イケメンだ」

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