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終結 ページ41

僕が目を覚ました時には、あたりは既に落ち着き始めていた


運ばれていく負傷者に、指示を出す将校たち



『やっと目が覚めたか…じゃあ、はい』


僕のすぐそばにはAさんが座っていた


僕を横目に見て、目を覚ましたのを確認すると


手錠と自身の手首を僕に差し出した



「え、?」


『ほら、捕まえないと』



いきなりのことに僕は動揺を隠せなかった


普通の海賊なら船に乗り込んで逃げるはずなのに



『…私を捕まえれば、少しは昇格できるかもよ?…それに、億越えの海賊王の子を逃がしたってなったら今度こそ命はないかもしれない』


"ここからいなくなりたい"


Aさんの言葉と裏腹に一瞬だけ聞こえた感情の声



「……」


何かの間違いだ、きっと別の誰かの声だ、…



そう自分に言い聞かせながら、僕は手錠を受け取ってAさんに手錠をかけた


傷だらけで、所々赤く染まっている彼女の手を取って


今僕にできることは何もない、今度こそは命はないかもしれない


今は何も出来なくても、これからすぐにできることがあるかもしれない






『…ははっ、』



Aさんは、自分の手にかけられた手錠を見て


笑った、光のない目をしながら



不気味で、どこか寂しそうで、美しかった

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作者名: | 作成日時:2021年11月1日 0時

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