死にたがりの海軍大将 3【ONEPIECE】 (ページ39)

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起死ページ39

目の前で起きている信じられない光景に目を疑った

海兵が海賊を庇っただなんて

普通ならあり得ない構図

理解が追い付かなくて、目の前でどんな会話がされているのか全く耳に入ってこなかった

「…正しくもない海兵はいらん」

赤犬の低く、威圧に満ちた声で我に返る

背筋が凍った

このままでは私のせいでもう一人の命が散ってしまう

『それだけは…、！！』

咄嗟に伸ばした腕は当然彼の背中には届かない

ギリギリの、ただ空気を掴んだだけ

自分の存在を、今日以上に憎んだ日は無かった

「よくやった、若い海兵」

ぎゅっと目をつぶった時に聞こえたのは、聞き覚えのある声

「Aもよく頑張ったな」

『シャンクス…』

赤犬の攻撃を防いだのは赤髪のシャンクスだった

「……」

『うわっと、…』

気を失ってしまった海兵をギリギリのところで受け止める

「A、あとは任せてくれ」

彼を安全なところへ連れて行ってあげてくれ

そう言われて少しだけ動くようになった足をゆっくりと動かし始めた

海兵に遭遇してしまわないように慎重に

本当ならわざと海兵と遭遇して首をとってもらおうとしたけれど

海兵を託されて、担いでいる以上諦めるしかなかった

皮肉にも生き延びてしまった