死にたがりの海軍大将 3【ONEPIECE】 (ページ28)

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航海29日目ページ28

「くそ…逃げられちまったな、…」

「……」

身動きが取れない状態でヘルメッポさんがそう言葉を零した

「おい、大丈夫か？」

「あ！はい…大丈夫です…」

圧倒されてしまった、あの人の強さに

壁に固定されてしまうまでの速さについていけなかった

今までは手を抜いていたとでもいうのだろうか

確かに、僕が限界に近くてもあの人は平気そうだった…

「にしても…頑張ればこれ取れそうだぞ」

「本当ですか！」

ヘルメッポさんの言う通り、氷の槍からはすぐに開放された

「でもここからあの人を追うことは無理だな…」

もうAさんの気配はしない

「強かったな、あの人」

「そりゃあ、…あの人の娘で妹なんですから…」

"家族を守るためなら命も惜しくない"

過去にAさんから言われた言葉

ずっと、忘れられない

あの人は、家族を助けるために命を懸けてここで戦っている

敵ながらも、かっこいいと思ってしまった

「僕も…あの人のような強い志を持てるようになりたい、…」