SnowDrop (ページ9)

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8, 作戦決行ページ9

クマとの交戦が始まってしばらく、結論から言うと、苦戦を強いられていた。

「…キラーさん」

「…なんだ」

一か八か、これが決まれば可能性はあると、人見知りなりに勇気を出して声をかける。

「…さっきクマにしていた一撃、もっと力を入れてできますか…？」

「もう一度同じ技を出すことはできるが、力はあれが全力だ」

「……では、明日…筋肉痛になる覚悟はありますか……？」

「…は？」

キラーさんの武器である鎌で上手く攻撃すれば、大きな隙を作れると考えたのだ。

訝しげな声を出しながらも、了承してくれたので、作戦に取り掛かる。

「…では、私がキラーさんの方へクマを飛ばします。そこを叩いてください」

「それはいいが…」

「…あと、私の"言うこと"は聞き逃さないようにしてください。それができれば大丈夫です」

「…了解した」

「お願いします…－船長！キッドさん！」

多少強引ではあるものの、協力をこぎ着けることができたため、クマに向かって走りながら船長とキッドさんを呼ぶ。

「私とキラーさんで隙を作ります！後はお願いします！」

「ああ！？何言ってやがる！」

「キッド、準備しろ！」

キッドさんは私に向かって怒声を飛ばすため、驚いて足が止まりそうになるが、無理矢理足を動かす。

キッドさんはキラーさんに言われて、船長は無言で迎撃の準備を始める。

「…どうやら人間じゃないみたいですけど、こっちだって半分人間ではないんですからね！」

私が勢い良くクマに蹴りを入れると、計算通りキラーさんに向かってクマが飛んで行く。

キラーさんが一撃を入れるタイミングで息を吸い全力で声を出す。

「命令する、"リミッターを解除せよ"！」

私の"命令"を聞いたキラーさんは先程よりも段違いで重い一撃を放つ。

そのタイミングに合わせて船長とキッドさんが攻撃を入れた。

「…案外、息が合ってるじゃないですか……」

動かなくなったクマに、つい安堵の息が漏れた。