SnowDrop (ページ40)

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39, 囮ページ40

「A…？どうした？」

薬品庫で見つけた"とある本"を解読しながらメモを取っていると、こちらに近づいて来る気配を感じてばっと顔を上げた。

素早くメモに残りの必要なことを書きなぐって畳み、本を元の場所へ仕舞ってからメモをハルに差し出す。

「…これ持って隠れてて」

「は？」

「いいから早く…！」

切羽詰まった声に、ハルはメモを受け取って大人しく物陰に隠れた。

そのタイミングでノック無しに扉が開かれた。

「お前誰だ？何故こんな所にいる？」

「……こちらのセリフですが…」

そこに居たのは見たことの無いサングラスの男。

そして元々の性格の所為か、見聞色の覇気を得意とする私には嫌という程伝わってくる。

"この男に勝てる気がしない"

しかし、ハルの存在を知られない為にも、私が気を引く必要がある。

「"ここから出ていって"」

「！…足が勝手に……面白い能力だな…だが」

「っ…ぐっ！」

「まだまだ甘い」

「…ゔぁ…」

私の能力に逆らい、覇気を纏った拳で殴られ、私は薬品庫の壁にぶつかった。

咳をしながらももう一度能力を使うが、彼は逆らってくる。

能力を諦めてこちらも覇気を纏いつつ蹴っても…

「女の蹴りじゃないな、これは…何者だ」

「…あなたに答える義理はありません…！」

そう強がったものの、足を掴まれて今度は頭にさっきの一撃を喰らった。

脳が揺れて意識が薄れる中で、飛ばされたらしい帽子が、床に落ちたのが見えた。