34, 渾名 ページ35
「場所を変えなきゃ…見えねェ景色もあるんだ、スモーカー…"メス"」
船長と白猟屋さんの方も決着が着いたようで、白猟屋さんが倒れている。
先程拭いきれなかった顔の血を拭いながら船長の元へ行く。
「…白猟屋さんの心臓…ですか？」
「ああ」
「相変わらず趣味わりぃな」
「ホラ これ軍艦じゃねぇか!!」
今までとは違う明るい声が聞こえて来た。
良く見ると、"茶ひげ"さんの背中に誰かが乗っているらしい。
「あそこ、誰かいるぞ!!」
「……麦わら屋」
「…麦わらさん…？」
「あれ〜!!?お前は〜っ!!!」
知らない人ではないとはいえ、馴れ馴れしいのは困ると船長の後ろへ隠れる。
「おーい!!お前じゃんかー!!おれだよおれ〜!!あん時ゃありがとなー!!」
「…自分の名前もおれ達の名前も言ってねぇぞあいつ」
「そうそう！トラファル……トラ男!!そうだったあいつよー、"白ひげ"の戦争からおれを逃がして…傷も治してくれたんだ!!」
「…ふふっ…ト、トラ男…！…いたっ！」
予想の斜め上を行く渾名につい笑うと船長に軽く殴られた。
真っ直ぐに感謝を向けてくる彼は本当に海賊なのだろうか…
「こんなトコで会えるとは思わなかった、よかった!!あん時ゃ本当にありがとう!!」
「あれ？喋るくまは？それに、お前誰だ？」
「……A…です」
「おれはハルだ！」
「猫が喋ってる〜!!」
目を輝かせてこちらに来る麦わらさんに軽く悲鳴を上げ、ハルを船長の肩に押し付け、私は船長を盾にしようとコートを掴んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：和泉 | 作成日時：2019年9月9日 22時
