SnowDrop (ページ31)

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30, 名前ページ31

「…あらA。また今日も"散歩"？」

「モネさん」

船長のビブルカードを辿りパンクハザードに着き1ヶ月程、"研究所"にいるのは息が詰まりそうで、ほぼ毎日"散歩"と称して散策をしているのだ。

誰かに会うのは珍しいため少し驚いたが、モネさんはいつもと変わらずどこか楽しげにしているだけだ。

私はふとあることに気がつく。

「…モネさん、研究所の正面入口の辺りって"ケンタウロスの人達"っていませんよね？」

「ええ、いないわよ」

「研究所に戻る時、一応ですが裏口からの方が良いかと…」

「ふふ、わかったわ。ありがとう」

いつも通り不敵に笑ってからモネさんは飛んでいった。

私もやや早足に研究所へ向かうが、雪に足を取られて歩きにくいため、なかなか速度は上がらない。

若干の苛立ちを抱えながら研究所へ着くと

「…あら…」

「…どういう状況だよこれは……」

「…船長…？これはどういう状況です？」

「おれに聞くな」

研究所の正面入口付近に海軍と思しき人達が集まっている。

人の多さに相変わらず軽い吐き気を覚えつつも扉に寄りかかっている船長の後ろへ隠れるように回る。

「"歌姫"シャーロット・Aか」

「…………」

「…こいつは"白猟屋"だ」

「お前、結構な有名どころだぞ？」

私が困っていると、船長どころかハルにも呆れたように言われてしまった。

そのやり取りを不服そうに見てくる"白猟屋"さんの目付きが鋭く、思わず後ろから船長のコートを縋るように握った。