12, ツッコミ ページ13
ボゥン!!
静かな
「…見ろ、大型の海王類だ!!」
「何やってんだ！？ケンカか！？」
確かに、大型の海王類は死んだらしく浮いている。
「…海王類って穏やかな性格という印象ですけど……」
「だったら何が…」
混乱していると、海から"人"が上がってきた。
よく見なくても、その人は"冥王"レイリーだ。
どうやら麦わらさんがこの島にいると推測してやってきたらしい。
「…ところで、そこのお嬢さん」
「……わ、私ですか…？」
「ああ」
にこやかに笑いながら、私に話しかけてくる。
例のごとく私はハルを抱きしめながら、冥王に向き直る。
違ったらすまないと前置きをしながら、私への本題が投げかけられた。
「…キミは、"人間"じゃないだろう？」
「…………」
「黒い髪はどこの海にもいるが、そこまで鮮やかな赤い瞳は"ある種族"を除いてはそう居ない…それに"シャーロット"というキミの名前…」
一連の言葉に、"知っている"船長は警戒の色を見せるが、した所であまり意味は無いだろう。
見事に当てられてついつい笑みが零れた。
「…当たりですよ…お察しの通りかと」
「ほう…偉そうに言っておきながら、私も実際にみるのは初めてだよ」
「…そうでしょうね」
「おいおいA！なんのことだよ！」
私と冥王の会話に付いていけていない船員が疑問を投げかける。
「…別に隠してた訳じゃないんですけど…」
「おう！」
「…私、半分人間じゃないんですよね」
「おれも普通の猫じゃねぇぞ」
ふっと笑みを零しながら言うと、全員が全員、驚きの声を上げた。
詳しく聞かせろという船員達を宥めながら、出航する。
……誰かハルのことも突っ込んであげて…
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作者名：和泉 | 作成日時：2019年9月9日 22時
