11, スイッチ ページ12
「そいつをここから逃がす!!!一旦俺に預けろ!!!−おれは医者だ!!!」
"頂上戦争"は終盤に差し掛かる。
既に"ポートガス・D・エース"は死亡し、満身創痍の"麦わらさん"と王下七武海である"ジンベエ"を船長は受け取ろうとしている。
「…ほらね、見物だけじゃなかったわ」
「そんなこと言ってる場合じゃねぇよ」
「わかってるけど、今の私達は戦力にならないわ」
未だ足の骨折は微妙に治っておらず、戦闘はできない上に、この騒音の中では私の能力も使えない。
扉の所から外を伺っていると…
「船長！黄猿です！」
その声が船長達だけでなく、麦わらさん達を抱えている人にも届いたのか、彼らが飛んで来る。
飛んできた2人をジャンバールさんが受け取り、各々治療の準備に取り掛かる。
私も運ばれてくる2人の応急処置をしながら手術室へ行く。
「これ持ってろ」
「麦わら帽子…」
「おい、
私も手伝おうとした所で、足が痛み出して、手術室から出る。
その後も、青雉が海を凍らせてきたり、黄猿が追撃をしてきたりとしたものの、無事に逃げ切ることが出来たらしい。
そして今、人見知りの私は困っている。
「ほう、足を怪我しておるのか」
「……え、ええ…」
どうやら麦わらさんを追ってきたらしい海賊女帝さんが何を思ったか私を気に入ったらしく、"ハートの海賊団"の甲板で私と話している。
それでも、安全に療養ができる場所へ連れて行って貰うことはありがたいことだし、彼女が退屈しないようには気をつける。
「…女帝…さんは、麦わらさんがお好きなんですね…」
「なっ…!!どこでそれを！？」
「うぇ！？…い、いえ…ただなんとなくそうかな…と…」
「なんとなくというより、わかりやすいぞ」
呆れた声のハルにわかりやすく顔を赤くする女帝さん。
かわいいな…こんなかわいい人に思われてる麦わらさん羨ましいな……
しかし、ここで麦わらさんへの想いを当ててしまったが運の尽き。
なんのスイッチを押してしまったのか、女ヶ島に着くまで、微妙にズレまくった恋バナにひたすら付き合わされることになった。
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作者名：和泉 | 作成日時：2019年9月9日 22時
