最強無敵になんかなれなくていいから神様、いるならお願い【ONE PIECE】 (ページ11)

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強く握りしめていた拳を、徐々に開いていく目の前の青年
強張っていた肩の力も、軋みそうなほどに噛み締められた歯にかかっていた力も抜けていく

「………干渉に浸っている場合では、ないですね…」

「…なっ!?」

気付くと、周りの風景が変化していた

床には赤と青、壁には緑とピンク、天井には白と黒のタイルが交互に張られただけの何もない、けれどあまりの派手さに殺風景とは思えない、真四角の部屋

「…僕の得意分野ではないのですが…多少はこのような魔法も、使えますから」

ワープ、幻影、精神干渉魔法…大ｯｯ嫌いですがね

「…それらは、“黒魔女“の分野ってか」
「ええ

…このような無駄話を繰り広げている場合ないです

何故なら＿＿＿」
「今自分達がしているのは“戦闘”なのだから…か？」
「ふふ…いいえ？僕らがしているのは

“戦争”ですよ」

放たれた氷の粒達を前方向にしゃがみつつ回避する

「っは…この程度の争いが、か？」
「え？戦い争う、だから戦争ですよ」

その目には＿＿＿光の灯らない、虚ろな闇が蠢いている

それが、この青年の弟分と戦っているときの少年の兄の目と同じだと知るのは、もう少し先の話