毛糸のぱんつとメガネ前編(ytxym)

＝赤い風船・１５＝ ページ15

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＿＿＿

その日の夕方。。



ちょ〜〜ご機嫌な兄ちゃんが帰って来て

３人で夜飯の高木商店のコロッケを食った。




...そう言えば、兄ちゃんが帰って来て

飯の支度の時、いそいそと女装のまま

青いエプロンつけっから

『兄ちゃん、ちょ〜嫁感すげぇよ』

って、兄ちゃんに言ったら

ちょ〜ご機嫌な兄ちゃんは

くねくね、もじもじして

『もぉ〜〜涼ちゃんってば
　もぉ〜〜♡』


嬉しそうに照れて

オレの背中、バシバシ叩いた。




その後イテェなって風呂ん時

背中見たら、真っ赤っか。



マジ兄ちゃんって裏の番長じゃね？！

あの細ぇ体で、腕で、ばか力じぇね？！





「ふぅ〜〜。」っと

風呂入ってサッパリしたオレは

自室に向かうため、階段をあがってんっと＿＿




兄ちゃんの部屋から何やら、声。

「ん？ひとりごとか？」

ドアに近付き、耳を当てると。。

「なんだ、電話か＿＿」




兄ちゃんの毎日の日課。

寝る前ぐらいになると

必ず兄ちゃんは雄也さんと

電話する。




掛けたり、掛かってきたり・・。



「ほんと、仲いいなぁ〜〜」



まぁ〜そりゃ〜そっか。

赤ちゃん時から一緒なんだもんな。

１８年か＿＿＿すげぇな。

幼馴染か＿＿。




「さぁ〜〜って、と」

オレも部屋に入り

勢いよくバフッとベッドに

寝転がる。



「はぁぁ〜〜、今日は
　何か、、つかれた＿＿」



いつもの休みより

疲れた気がする。



慣れない女装したり

アイツらにバレないか

ヒヤヒヤしたり、、。



まぁ、そんな事言っても

何だかんだ楽しかった。



違う自分になるっつーのは

楽しいもんだよな。

変身願望つ〜っかさ。




「はぁ・・・。
　ぁー、、ふぅせ、ん」




ゴロゴロしながら今日を思い返し

また天井に居る赤い風船を見た。




思い出すのは、あの英国紳士。

いや、違うか。

厳密に言うと英国紳士ではないか

めっちゃ日本人だし。



でも、雰囲気は紳士。



銀縁の丸いメガネの奥の目は

やさしく、オレを見ていた。



それはオレが＿＿＿

オレが女の恰好をしていたから。



オレを女だと思って、

助けてくれて、優しい目で

オレを見ていたんだ。




＿＿＿本当のオレは、、

ヤンキーだし、それ以前に男だ。




＿＿っと！！いかんいかん。

また何、もやもやと考えてんだ。

おセンチになって、浸ってんじゃねぇって！


「あ〜〜、、
　ヤバい、ヤバい。」

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