毛糸のぱんつとメガネ前編(ytxym)

＝赤い風船・１４＝ ページ14

「オレ乙女じゃねーしっ」

「ほら、自分の部屋に行った行ったっ」

「つか、マジめんどくせー」






＿＿＿＿＿

＿＿





「さて＿＿」

部屋に入り、赤い風船の糸をパッと放す。


風船はふわふわと上がり

天井で止まる。



ふわふわ、ふよふよ漂う風船を見つめ

オレは呟く。


「しっかしー、、
　あのじゃんぷスゴかったなぁ、、」




ふわりとジャンプして跳んで

風船の赤い糸を掴んだ。




飛んでいかなかった赤い風船が

ポッと、もっと赤くなった気がした＿＿。





「かっこよ、かった、、、」



そうぼそりと呟いてから

ブンブンとウイッグが取れるほど

頭を振り、オレは大きな独り言を言う。



「違う違う！違うってっっ！！
　カッコいいってなんだ、何言ってんだ
　オレのカッコいいの基準は違ぇだろっ
　オレの憧れは、ヤンキーのてっぺん
　雄也さんみてぇになる事だって！
　強くて優しいクールなヤンキーに！」



そんなデッケ声で言った矢先、、

ウイッグを取りながら、

あの英国紳士を思い出す。





＿＿＿掴まれた手首の熱さとか

前を走る、大きな背中とか

優しく微笑む目とか

静かに沁みこむ声とか・・

オレの小せぇ手を包んだ

大きな手の平＿＿＿＿＿




幾つぐらいだろう。

この辺の人？

何してる人？

名前は？




また・・また逢えるかな＿＿＿。





「って！！！ちっが〜〜〜う！！
　おいオレ！！何、おセンチに
　なってんじゃい！いかん、いかん
　このメイクと恰好がダメなんだ
　は、早く一刻も早く服脱ごう！
　けしょーも早くおとすべっ」





＿＿＿＿＿＿＿＿＿


＿＿＿





　



　

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