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「何っ…！？」
「舐めんじゃねぇ！！」
男が個性を使うのとほぼ同時に、俺もネイムレスの前に立ち個性を発動した。その勢いのまま止まれなくなった男を捕縛武器で抑え、手で顔を固定させる。
「クソ！クソ！！離せ！！」
「ネイムレス！」
「ああ！『布』」
ネイムレスは出した布で男の目隠しをして息をついた。
「これで全員か…」
無線で待機している警察官達を呼ぶと、すぐにやって来て敵達を連れていく。俺達はそれを見守っていたが、隣から突然「なあ」と声をかけられた。
「さっきは助かった。ありがとうな」
「…いえ、当然のことをしたまでです」
ゴーグルを外すとネイムレスが微笑んでいるのがわかった。その表情に心臓を握られるような感覚になり、視線をずらす。
「…っ？」
「どうした？」
「いえ、なんでもないです」
その時ふと眩暈がしたが、疲れからだろうと深く考えなかった。
護送までを見送り、俺とAさんは帰路についた。時刻は深夜二時、電車も車通りも無いので、静まり返っている住宅地を二人ならんで歩く。
「お前反対方向だろ、気持ちは嬉しいが」
「駄目です、送っていきます」
「明日早いだろ」
「明日は休みです」
「…ほら、夜は危ないし」
「だから送っていくって言っているんですよ」
いくら強いと言えど女性であり、大切な人でもある。何かあったらでは遅い。やがて折れたAさんが若干困ったように「ありがとう」と言った。
仕事があった場所はどちらかというと彼女の家の方に近かった。だから早く話さなければいけない。
「Aさん、俺は確かに昔のことを悔やんでいる。でもあんたがそれを気遣う必要なんて…」
「…またその話か。もういいだろ」
Aさんは眼帯を取り出し着けようと顔へ持っていった。その手を掴んで動きを止める。
「おい」
「言った瞬間それですか…いい加減に……っ」
そこまで言って再び眩暈がした。思わず頭をおさえると、流石に異変に気がついたのか「おい、どうした？」と眼帯を離して俺の顔を覗き込むAさん。さっきは耐えられたが、今度はだんだん意識が遠くなっていき、目を閉じた瞬間膝から崩れ落ちた。必死に俺の名前を呼ぶ彼女の声も聞こえなくなっていった。
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ユキヒメ - めっちゃ面白いです！相澤先生の可愛さとカッコよさどちらも出ていてお気に入りです！更新楽しみに待ってます！ (2021年7月27日 15時) (
レス) id: 68ce7e55eb (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - なんどもすみません！！更新待ってました！！この続きがめちゃめちゃ気になります！もう本当にこの小説面白くて大好きです！続き楽しみにしてます！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです。更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2018年8月10日 1時) (レス) id: 9ef0a88e71 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - はじめましてこんにちは！この作品が大好きで最近はいつも拝見させていただいてます！この作品ほんとーに大好きです！これからも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年7月9日 1時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴(プロフ) - 船長 さん» ありがとうございます！更新頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします。 (2018年7月8日 10時) (レス) id: 9ef0a88e71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴 | 作成日時：2018年6月9日 13時
