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「…はぁ」
受話器を置いた相澤が深いため息をつく。いつもなら「そんなため息ついてると幸せが逃げるぞ」くらい言ってやるのだが、今回は何も言えない。
「とりあえず動けるようになったら飯田は自宅へ、轟と緑谷は体験先に戻ることになりました」
「…そうか」
昨夜ヒーロー殺しが保須で現れ、エンデヴァーによって捕獲された。…表向きは。
飯田、轟、そして緑谷の３人はその事件に巻き込まれ、なんとヒーロー殺しと遭遇したのだという。しかも３人の力でヒーロー殺しを気絶させるまで追い込んだらしい。
しかしヒーロー免許未取得者である３人がそんなことをしたと知られれば、彼らの未来が閉ざされてしまうかもしれない。だからたまたま轟と共に近くに来ていた上、ヒーロー殺しが火傷をしていたことからエンデヴァーがヒーロー殺しを捕まえた、ということになった。
昨夜私は別件で出ていたため、保須へは行けなかった。協力できなかったことは悔しいが、エンデヴァーからはきちんと報告をもらえた。
できればヒーロー殺しとはもう一度会って話をしたかったのだが…
「まあ、とにかく無事でなりより。お前はこれから忙しくなりそうだけどな。頑張れ」
「…面倒事ばかり持ってきやがってあいつら…不合理だ」
再びため息をつく相澤に苦笑いし席へ戻ろうとしたとき、外へ出ていた俊典が「あっAさん！お電話です」と携帯を持って寄ってきた。
「電話？誰から」
「えーっと…その…」
言い淀む俊典を不思議に思いながらも、相手を待たせては悪いと思い「お電話変わりましたAです」と言えば、向こうからずいぶんと聞きなれた、でも久しぶりな声が聞こえた。
『Aー！！教師やってるなんて聞いとらんぞ！！どういうこ』
ピッと通話終了ボタンを押す。そうだな、こいつに携帯で電話がかかってくる時点で気づけばよかった。相手のうるさい声は周りにも聞こえていたようで、皆目を見開いてこちらを見ている。私は携帯を俊典に返した。
「間違え電話だったぞ」
「いや何言ってるんですかAさん！？」
「驚いてつい。というかお前も相手の名前くらい言いなよ」
「…それはすいません。ですが先生からと言えば切るから言うなと…」
「…間違ってはないな」
「えぇー…」
そんな会話をしていると今度は私の携帯が震えた。観念して通話ボタンを押すと「何切ってやがるふざけんな！」といきなり怒鳴られた。
「お前こそ開口一番怒鳴るなんてどういう了見だ、グラントリノ」
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ユキヒメ - めっちゃ面白いです！相澤先生の可愛さとカッコよさどちらも出ていてお気に入りです！更新楽しみに待ってます！ (2021年7月27日 15時) (
レス) id: 68ce7e55eb (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - なんどもすみません！！更新待ってました！！この続きがめちゃめちゃ気になります！もう本当にこの小説面白くて大好きです！続き楽しみにしてます！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです。更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2018年8月10日 1時) (レス) id: 9ef0a88e71 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - はじめましてこんにちは！この作品が大好きで最近はいつも拝見させていただいてます！この作品ほんとーに大好きです！これからも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年7月9日 1時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴(プロフ) - 船長 さん» ありがとうございます！更新頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします。 (2018年7月8日 10時) (レス) id: 9ef0a88e71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴 | 作成日時：2018年6月9日 13時
