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「えっと…先生？は…」
「あ、自己紹介してなかったね。橘Aだ。USJの事件の後からここで働いてて、今はヒーロー科の実技しか教えてないから、知らないのも無理ないよ」
「ヒーロー科…」
そうぽつりと呟いてから口を閉じてしまった心操。言い方が悪かったか…
「心操、体育祭のトーナメントすごかったじゃないか。私も席で見てたんだよ」
「…ありがとうございます。負けましたけど」
なんだ、私は彼の地雷でも踏んでるのか？再び訪れた静寂に気まずくなっていたが、先に口を開いたのは心操だった。
「先生は…普通に話せるんですね」
「ん？」
「今この瞬間、俺が個性を使うとは思わないんですか？」
「…」
それは『洗脳』という個性を持ったが故の発言。確かに周りにそんな個性を持った人がいたら警戒されるかもしれない。だが、個性の名前は違えど、私には彼の気持ちがわかる。
「別に好きで洗脳したりしないだろ」
「！」
「って私は思うから」
「なんだそれ…」と心操が呟いた時、近くから別の猫の鳴き声がした。すると心操の腕で大人しくしていた子猫が反応して、モゾモゾと動き始めた。
「…どうやら親猫がいるようだ」
「…そうですね」
私の記憶は正しかったらしく、今向かおうとしていた草影を覗くと、そこには親猫と子猫が三匹ほどいる。心操が抱えていた子猫を下ろすと、子猫は勢いよく親猫の元へ駆けていった。人間慣れしているからか、私達が側にいても親猫は逃げなかった。
「よかった、見つけられて」
「ああ。ありがとうな心操」
「いえ、俺は別に…」
元気な子猫達が再会を喜んでじゃれるのを、微笑ましそうに眺める心操を見て、ふと思ったことを聞いてみる。
「心操は猫が好きなのか？」
「……はい。やっぱり意外ですか？」
「え、なんで」
「猫好きって言うと、よく意外だって言われるんですよ」
もしかして最初気まずそうにしていたのは、それを気にしてたからか？だとしたら心配して損したな。
「別に。そんなこと言ったら相澤はどうする」
「相澤って…A組の相澤先生のことですか？」
「ああ。確か相澤もかなりの猫好きで、しょっちゅう猫カフェに通ってるって聞いたぞ」
「まじかよ…」
意外だ…と呟いた心操と顔を合わせて笑った。趣味に意外もなにもない。それが趣味なんだから。
「なら少し遊んでいくか？」
「え…？」
「『猫じゃらし、猫じゃらし』」
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ユキヒメ - めっちゃ面白いです！相澤先生の可愛さとカッコよさどちらも出ていてお気に入りです！更新楽しみに待ってます！ (2021年7月27日 15時) (
レス) id: 68ce7e55eb (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - なんどもすみません！！更新待ってました！！この続きがめちゃめちゃ気になります！もう本当にこの小説面白くて大好きです！続き楽しみにしてます！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです。更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2018年8月10日 1時) (レス) id: 9ef0a88e71 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - はじめましてこんにちは！この作品が大好きで最近はいつも拝見させていただいてます！この作品ほんとーに大好きです！これからも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年7月9日 1時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴(プロフ) - 船長 さん» ありがとうございます！更新頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします。 (2018年7月8日 10時) (レス) id: 9ef0a88e71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴 | 作成日時：2018年6月9日 13時
