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これ、と渡された紙袋にはコスチュームが入っていた。お礼を言えば気にするなと笑うAさん。そんな彼女の顔を見て思い出した。
「眼帯、外してください。どうせ普段家ではしてないんでしょう？」
「…もういいだろ。そろそろしつこいぞ、お前」
ため息をつきながら背を向けるAさん。だが、俺はそのまま話続ける。
「昨夜も言いましたけど、それ逆効果です。気を遣うのはやめてください」
「別にお前に気を遣っているわけじゃない。学校には生徒だっているし、街中には一般人もいる。そんな人達がこの傷見たりしたら驚……」
…ああ、そういうことか。
Aさんも自分で言って気づいたらしい。確かに顔に傷があれば、本人も他人も多少気にする人はいるだろう。だが現代…個性がありヒーローという職業もあるこの時代、傷があってもきっと昔ほど注目を浴びることはないのではないか。ましてやヒーローだ。一般人の前ならともかく生徒の前では関係ないだろう。それに眼帯を着けていたらいたで、それなりの注目を浴びることには変わらない。
一体貴方はいつの時代を生きているんだ。
「…じゃなくて、私は眼帯が好きだから」
「なんですかその無茶苦茶な言い訳は」
それがなんだかくだらなくて、Aさんがクスッと笑った。
「悪い、でも人前では眼帯をするっていうの…もうこれは癖みたいなもんなんだ。昨夜も偶々だよ」
「…」
偶々…か。そこは正直怪しいが、俺もだんだんムキになっていたことが今更恥ずかしくなり、口を閉じた。子供か俺は…。
「俺もすいません、何度も」
「いや、別に」
「じゃあせめて、俺の前では普段通りにしてください」
「…」
ただ、彼女の特別でありたい。
「…諦め悪すぎだ、お前」
「お互い様ですよ」
「そうかもね」
そう言いながら眼帯を外すAさんに驚いて、目を見開いた。言ったことは本気だが、まさか本当にしてくれるとは思わなかった。しかも今すぐ。
そんな俺を見て彼女は苦笑した。
「お前が言ったんだ、驚くなよ。これでいいだろ？いつも二人きりなわけじゃないから、お前の前でも外せるのなんて今日みたいな日しかな…」
考えるより先に体が動いていた、なんて綺麗な言い方のできることではないが、Aさんの露になった顔の左側を見て、勝手に体が動いていた。彼女の両頬を俺の両手で包み、そのまま顔を近づけていく。俺の中のどこかで「止まれ」と言っているのが聞こえたが、それを無視し、とうとうお互いの唇が触れ＿＿＿
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ユキヒメ - めっちゃ面白いです！相澤先生の可愛さとカッコよさどちらも出ていてお気に入りです！更新楽しみに待ってます！ (2021年7月27日 15時) (
レス) id: 68ce7e55eb (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - なんどもすみません！！更新待ってました！！この続きがめちゃめちゃ気になります！もう本当にこの小説面白くて大好きです！続き楽しみにしてます！ (2018年8月10日 23時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです。更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2018年8月10日 1時) (レス) id: 9ef0a88e71 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - はじめましてこんにちは！この作品が大好きで最近はいつも拝見させていただいてます！この作品ほんとーに大好きです！これからも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年7月9日 1時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴(プロフ) - 船長 さん» ありがとうございます！更新頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします。 (2018年7月8日 10時) (レス) id: 9ef0a88e71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴 | 作成日時：2018年6月9日 13時
