第75話 林から森へ ページ28
Aちゃん視点
最近は梅雨で、雨が降っている事が多かったので、久しぶりに晴れた日に───と言っても夜だけど───魘夢様とお散歩に出た。
家の側の林の中を歩いていると白南風が吹き抜け、髪の毛が乱れる気配がする。
今日は髪を結んでいなかったし、魘夢様の前で山姥のようになってしまうのが恥ずかしくて、さりげなく髪を整えようとした。
「……ふふ、ここだよ」
私が直すのに手間取っていると、魘夢様が代わりに私の髪へと触れ、手入れしてくれた。
少しくすぐったいけれど幸せだなぁ……、そんな事を考えていた時、ベン、そんな琵琶のような音が響いた。
気付くとそこは森の中だった。さっき、魘夢様と歩いていた林より木が密集している。森だけに。という、おふざけは置いておいて……。
周囲には人が数人。髪を4つに結んでいる男の人や白い髪の少年、角が生えてる女の人がいる。他にも何人かいるけれど、暗くてよく見えない。
何が起こっているのかわからなくてきょろきょろしていると先程と同じ琵琶の音が響いた。視界に突然人影が───堕姫様が現れた。
「あら、あんたまだ生きてたのね。てっきりもう死んだと思ってたわ」
私に気付いた堕姫様が、少し驚いたように見下ろす。そのお姿は気品が溢れていて、お姫様みたいに綺麗だった。見惚れそうな気持ちを押さえ、失礼のないよう頭を下げる。
「堕姫様、ご無沙汰しております……」
堕姫様に挨拶している間にも、琵琶の音は何回か響いていた。ふと、見上げると猗窩座様や童磨様もいらっしゃる事に気付く。
少し離れた所に立つ童磨様がにこやかに手を振ってくださったので、私も声を出さず、「お久しぶりです」と頭を下げた。
よくわからないけど、恐らく十二鬼月の方々がここには集められている。魘夢様は以前、鬼からしたら人間は食べ物でしかないと仰っていた。
そんな私が居て良いはずがない。きっと、魘夢様の近くにいたせいで私も一緒に移動してしまったのだろう。
作者から
いつも、この夢小説を読んでくださりありがとうございます!
私がここで書き続ける事ができるのは、読者様のお陰だと日々感じています。
さて、ここからが本題です。この回からしばらく十二鬼月との会話が続きます。
様々な鬼がかなり怖い言葉を口にします。そのため、観覧の際はご注意ください(;_;)
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ぶるうべりぃ♪(プロフ) - 黒脛巾さん» 実はきゅんきゅんをイメージして書いていたので、そのように仰って頂けてとても嬉しいです!ありがとうございます! (2021年1月24日 16時) (レス) id: 69ebf7d565 (このIDを非表示/違反報告)
黒脛巾(プロフ) - めっちゃきゅんきゅんします・・・!更新応援しております! (2021年1月24日 1時) (レス) id: d7d533f63c (このIDを非表示/違反報告)
ぶるうべりぃ♪(プロフ) - 包帯無駄遣い装置さん» 本当は夢主視点にしようとしたのですが、怪我しているのに冷静に実況してたらおかしいなって思いまして笑。嬉しいコメントありがとうございました! (2021年1月14日 19時) (レス) id: 69ebf7d565 (このIDを非表示/違反報告)
包帯無駄遣い装置(プロフ) - ぶるうべりぃ♪さん» いや魘夢視点なんて素敵すぎじゃないですか (2021年1月14日 19時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるうべりぃ♪(プロフ) - 包帯無駄遣い装置さん» 包帯無駄遣い装置さん!ありがとうございます!魘夢様が素敵と仰って頂けて、書いている私としてはもう本当に幸せです!応援ありがとうございます! (2021年1月14日 18時) (レス) id: 69ebf7d565 (このIDを非表示/違反報告)
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