魘夢様に堕ちる (ページ45)

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第43話　大きい花火と小さい花火ページ45

迷いを断ち切るような鬼狩りの声に、童磨様達が鬼狩りの方へと視線を戻す。魘夢様も彼の方を一瞥した後、私の方へ視線を下ろした。

「A」

小さく私の名前を呼ばれる。そっと彼の方を見上げると、年少者を諭す様な表情を浮かべ、私を見下ろしていた。魘夢様のそのような表情は初めて見た気がする。

「大抵の鬼狩りはね。大切な家族や仲間を鬼に殺されてる。だからね、相手がどんなに強くても向かってくるんだよ。愚かだよね……」

愚かだよね、歌うように魘夢様はそう締めくくったけれど、私に同意を求めている様子はなかった。私も頷く事もなく、ただ彼の言葉に思いを馳せていた。

「炎の呼吸、終ノ型鼠花火！！」

言葉と共に鬼狩りがこちらへ向かってくる。その動きは予想が付きにくい。そしてどういう事なのかよくわからないけど、彼が……刀自身が燃えているように見えた。

「術式展開破壊殺・羅針」

猗窩座様が何か呪文のようなものを呟くと、地面に猗窩座様を中心に雪の結晶のような模様が現れた。

「破壊殺・脚式飛遊星千輪」

そう呟いた猗窩座様が消えた。正確には消えたのではなく、素早く移動したのだろう。

私の目には追えなかったけれど。倒れる鬼狩りを見て、初めて猗窩座様の攻撃が彼に当たったのだと認識した。

「ぐっ、あっ」

力が抜けるように倒れた鬼狩りの口元から尋常じゃない量の血液が溢れ出す。魘夢様と初めて会った時も、彼の食事の様子に思わず気絶してしまったけど、その時とは違った恐ろしさがある。

「……まだ息の根があるか。俺が今まで出会った鬼狩りは今の一発で死んでいた。だが、柱には到底及ばない」

猗窩座様がそんな彼を見下ろしながら、言葉をかける。

「……そんな事……わかってる……」

言葉と共に、また口から血が溢れる。それでも鬼狩りは力を振り絞り、立ち上がった。

作者から

明けましておめでとうございます！とうとう令和も3年目になり、手鬼が生きていたら大慌てですね笑。

皆様は初夢は見ましたか？

私は鬼滅の刃の夢を見たくて、日中ずっと鬼滅の刃の事を考えていたら、パワハラ会議の夢を見れました。

ちなみに女性姿の無惨様にうっとりしすぎて、消される夢でした…。

皆様の中にももし、鬼滅の刃関係の夢を見た方がいらしたら少しお話しましょう！

また、今回登場した隊士は煉獄さんより年上設定だったのですが、年下に変更しました。混乱させてしまい、申し訳ないです…。