第3話 羨望 ページ3
いつの間にか場面は自身の家に切り替わっていた。目の前にはちゃぶ台を挟み、談笑する両親の姿がある。
……ああ、そういえばお父さんとお母さんにも相談した事があったっけ。
「Aがすぐ泣いたり、反応するから面白がるのよ」
「こんな頼りないお姉ちゃんは嫌だよなぁ。強くならなくっちゃ」
お母さんの言葉に賛同するように、お父さんが膝の上で眠る弟の頭を愛しげに撫でる。そうなんだ……、その時の私は素直にその言葉を受け入れてしまった。
「……う、ん。わかった……」
また泣きそうになってしまったのを気づかれないように下を向きながら返事をする。私の返事に満足したのか、両親は再び談笑を始めた。
そういえば、この頃からだった……。誰かに、他の人の物に触れようとするたび、汚いと思われるんじゃないかと怖くて人に触る事ができなくなった。
同世代の子が友達と遊んだり、結婚していく中私はまともに人と距離を縮めることすらできずにいたのだ。
寂しい、つまらない。1人で良いから周りの人みたいに大切と思える人ができたら良いのに……。
どうしようもない辛さが込み上げてきて、涙が溢れる。息をするのも痛くて苦しい。視界がぼやける───。
「……うふふ」
「……え、え……?」
突然目が覚め、目を開けると、目の前───少し汽車が揺れたら、ぶつかってしまいそうな距離に人がいた。
作者から
ここまで読んでくださった読者様! お気に入り登録や評価などしてくださりありがとうございます!
魘夢様が未登場の状態で3話まで来てしまったにも関わらず読んでくださった読者様がいらっしゃるという事実がとてもありがたいです!
今回の話の解説
私は映画をまだ一回しか見ていないので、うろ覚えなのですが魘夢様が汽車の中で、絶望している乗客の表情を堪能しているシーンがありましたよね。
今回は、そのシーンを元に魘夢様は一般の人間を食べる前に一度夢から覚めさせてお食事なさるという前提で書かせていただきました。
間違っていたら、申し訳ないですが温かい目で見守ってくださると幸いです。
また、ここまで読んで「こんな事ある?!(善逸風)」とお思いになった方もいると思います。
実は作者の実体験を元に夢の部分は書いています。
これからも何その展開みたいな事はあると思うのですが温かい目で見守って下さるとありがたいです。
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包帯無駄遣い装置(プロフ) - ぶるうべりぃ♪さん» ですね! (2021年1月10日 21時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるうべりぃ♪(プロフ) - 包帯無駄遣い装置さん» そうなんですよね!ムキムキ過ぎないところがまた素敵なんですよね!(続きはこみゅーの方にてお話しましょう!) (2021年1月10日 21時) (レス) id: 69ebf7d565 (このIDを非表示/違反報告)
包帯無駄遣い装置(プロフ) - ぶるうべりぃ♪さん» 特に映画の上半身裸になっているとこ((((悪夢見せてあげようか?by魘夢 (2021年1月10日 21時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ぶるうべりぃ♪(プロフ) - 包帯無駄遣い装置さん» そう仰っていただけて、嬉しいです!映画の魘夢様も、原作の魘夢様もすごく可愛いですよね!コメントありがとうございました! (2021年1月10日 12時) (レス) id: 69ebf7d565 (このIDを非表示/違反報告)
包帯無駄遣い装置(プロフ) - やだ魘夢可愛いすぎ (2021年1月10日 2時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
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