敵 ページ18
カチャカチャと音がする。
他でもない、私の手元からだ。
腕が、震えていた。
精神的には、限界にあった。
おじさんが目の前で殺されかけ、その犯人は私の幼馴染。
ゾロは敵対する組の幹部だった。
そして今、私に殺されそうなのにも関わらず，それを受け入れようとしている。
なんで？
A「……いま…なんて？」
ゾ「だから、お前に殺されんならいいって言ってんだ」
A「…わ…私は、ゾロの敵なんだよっ？」
ゾ「別に、敵も味方も関係ねぇよ。お前はお前だろ」
震えが止まらない。
両手で持って刀を安定させても、より大きくなるばかり。
このままだと、本当に私はゾロを斬ってしまう。
どうして、こんなことになったんだっけ？
A「…私、ゾロを殺したいわけじゃない…」
ゾ「だろうな。殺気がねぇ」
A「……ゾロの、敵だけど…なりたくてなったわけじゃない」
ゾ「…」
A「なんで、ゾロが遊乃なの？…どうして、私が藤浪なの！？」
こんなこと、言ってはダメ。
先の言葉をいえば、もう戻れない。
頭ではそう理解していても、今更、止められなかった。
むしろ今までが、川の流れを止めるダムの様に、不自然だったのだ。
頭の中で、2人の私が口論している。
1人は「組のために、今すぐこの男を殺すべきだ」と。
もう1人は「幼馴染みで、しかも好きな人なんだから殺せない」と
そいつは、おじさんをやったんだ！！
「ヤツは私がやる」って息巻いてたじゃん！！
でも、ゾロは大事な人で幼馴染みなんだよ！？
言いたい言葉がたくさんあるのに、なんで、私は彼に刀を向けてるの！？
ぐるぐる回る思考に酔いそうになる。
私は、
ワタシ…は…────
A「どうして敵なの！？
いっそのこと、私が私でなければ良かったのに！！！！」
私には、この人を殺せない。
たとえ敵で、身内がどんなに酷くやられようと
たとえ、どれだけ倒したかった相手でも
私はゾロが優しいことを知ってる。
ゾロに対するこの感情の名前を知ってる。
私じゃ、むり。
ｶﾞｼｬﾝｯ
刀を降ろした瞬間、足から力が抜けて、崩れた。
A「…うぁ…ふっ……うぅ………っ」
俯いて泣くしかできない私を、ゾロが見下ろす。
そして優しく頭を撫でる。
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明奈里桜。(プロフ) - ゾロ大好き女さん» ありがとうございます！更新遅くて申し訳ございません。これからも宜しくお願いします！ (2017年3月11日 10時) (
レス) id: 282ceec753 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ大好き女 - こちらの作品読んでもっともっとゾロが大好きになりました！大変だとは思いますが、更新楽しみにしています！！ (2017年3月3日 22時) (レス) id: 3de56a1477 (このIDを非表示/違反報告)
明奈里桜。(プロフ) - ゆゆんかさん» 応援ありがとうございます！そう言ってもらえると、作者冥利につきます。これからもよろしくお願いします！！ (2017年1月13日 22時) (レス) id: 282ceec753 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆんか - このお話すっごく好きです！毎回がとっても楽しみです！私は応援することしか出来ませんが、精一杯応援させていただきます。がんばれー！！ (2017年1月9日 21時) (レス) id: 0d26e92b2e (このIDを非表示/違反報告)
明奈里桜。(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2017年1月6日 4時) (レス) id: 282ceec753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明奈里桜 | 作成日時：2016年12月6日 21時
