電 ページ16
あのあと、サンジが何人か連れてやってきて、おじさんは病院に担ぎ込まれた。
私はその様子を少しだけ見て、大丈夫そうだったから、その場を離れた。
宛もなくフラフラ歩いて、気がつけば、朝。
目が覚めたら、あのアパートの部屋の玄関で、靴も脱がずに倒れてた。
A「…いつの間に寝たんだろ」
それすらわからない。
携帯を見れば、夥しい数の留守番電話。
やはり、ほとんどサンジだ。
それに混じって祖父や、他の人からも連絡が来ている。
そりゃそうか
今日は大事なドンパチがあるのに、行方不明なんだもんな。
かけ返す気にもなれなくて、そのまま携帯を閉じた。
そしてまた、頭の中に考え事が沢山出てくる。
おじさんのこととか、今日どうしようとか、祖父に怒られるかなとか。
でも、何よりも頭に浮かぶのは
A「…ゾロ……」
ポツリ放ったその名詞は、私の好きな人を表す。
それと同時に、私の敵を表す。
思い出せばまた涙が出てくる。
敵に対する闘争心も
好きな人に対する恋心も
どちらも強すぎた。
悲しすぎるくらいに。
何時間も、そうやって答えの出ない疑問を考えてた。
ﾌﾞｰｯ ﾌﾞｰｯ
突如として携帯がなった。
また、サンジかな？
でも、一応確認しておこうと、携帯を開く。
そして私は目を疑う。
『ゾロ 着信中…』
待って
嘘でしょ？
なんでこのタイミング？
目的が読めずに困惑して、焦って、混乱した。
この電話をとったら、どんな話をされるのだろう。
出ないでおこうか
そんな考えが頭をよぎったが、そうしなかった。
『これに出なかったら、もう2度とゾロに会えない気がする』
そう思ったから。
意を決して応答ボタンを押す。
A「…はい」
ゾ『今どこだ』
間髪入れずにそうにそう聞いてきたので、少々面食らった。
現在地を敵であるゾロに教えていいのかと迷っていると、察したのか、話を切り替える。
ゾ『コックが探してるらしい。ルフィからそう聞いた』
A「…そう…なんだ」
ゾ『どこにいる。あのアパートか？』
A「…」
ゾ『無言は肯定ととるぞ』
少し低めの声。
それでも私は無言を貫いた。
ゾ『…行くから、待ってろ』
そこで電話は切られた。
床に転がる暁星を拾って、洗面台に向かう。
そこには酷い顔した鬼が映っていた。
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明奈里桜。(プロフ) - ゾロ大好き女さん» ありがとうございます！更新遅くて申し訳ございません。これからも宜しくお願いします！ (2017年3月11日 10時) (
レス) id: 282ceec753 (このIDを非表示/違反報告)
ゾロ大好き女 - こちらの作品読んでもっともっとゾロが大好きになりました！大変だとは思いますが、更新楽しみにしています！！ (2017年3月3日 22時) (レス) id: 3de56a1477 (このIDを非表示/違反報告)
明奈里桜。(プロフ) - ゆゆんかさん» 応援ありがとうございます！そう言ってもらえると、作者冥利につきます。これからもよろしくお願いします！！ (2017年1月13日 22時) (レス) id: 282ceec753 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆんか - このお話すっごく好きです！毎回がとっても楽しみです！私は応援することしか出来ませんが、精一杯応援させていただきます。がんばれー！！ (2017年1月9日 21時) (レス) id: 0d26e92b2e (このIDを非表示/違反報告)
明奈里桜。(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2017年1月6日 4時) (レス) id: 282ceec753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明奈里桜 | 作成日時：2016年12月6日 21時
