４話 ページ5
─ノースside─
ⅭＰ９がここに潜入してるのは知ってるけど任務内容までは知らない、というか興味ない。他人の仕事に首突っ込んでも面白い事なんか早々ないからね。長期になるって聞いてるし出会ったのもウォーターセブンだったからなぁ。一般人じゃないのは分かってもまさか世界政府直下機関だとは思わなかった。それも公になっていないサイファーポールのNo.９。階級が低くてもその存在位は知っていた。市民の殺しが許される"闇の正義"。正直言ってすっごく嫌いな存在なんだよなー。ははっ。
世界政府の掲げる"正義"なんてものは市民の思う理想とは全くの別物なんだから。犠牲なしに幸せは望めないのだろうか、なんて。犠牲あっての幸せなんて幸せじゃないって―の。
「ンマー、ノースじゃないか。そんなびしょ濡れでどうした？」
『市長さんじゃないですか、お久しぶりですね〜。これはちょっと雨に降られまして』
「ん？雨なんか降ったか？」
「２０分程前に廃船場辺りで突然の豪雨が。爆発が起きた直後です」
『それですね。仕事終わったんで遊びに来ました。ついでに着替えも借りれたらなぁ、と』
「はは、中将になってもその奔放さは相変わらずか」
「本社にどうぞ。入浴の準備は済んでいますので、着替えも用意致します」
カリファの有能さがとんでもないな。潜入任務で仮初の姿だとしても、演技でも、やるなら徹底的にか。なんて面倒な仕事だ。カリファ美人さんなのにな。カクもルッチもブルーノも身内には優しいのに。政府と育てられた環境が歪んだ正義を産んだ訳だ。結局は周りのせい、自覚のない悪意がそれを善だと勘違いしてるんだから救いがないよなぁ。ⅭＰ９ってだけで嫌いだけど、仮初の姿しか知らないから私はこの４人が好きなんだろな。それもなんか複雑だけどさ。
『んや、着替えだけで十分だよ』
「馬鹿を言うな。随分と体温が下がっておる、このままじゃ風邪ひくぞ」
「馬鹿は風邪ひかないッポー」
『なんだとー！？』
「まぁまぁ、ゆっくり浸かってくればいい。ンマー、俺としても早めに着替えて欲しいんだが...」
『市長さんが良いなら、そうさせて頂きますけども。覚えとけよハト野郎！！』
「クルッポー」
「案内してきます」
「あぁ、頼んだ」
────────────
「下着、透けてるわよ」
『ん？ホントじゃん。どーりで市長さんが目を逸らしてた訳だ。...カクとルッチ何も言ってくれなかったんだけど？？』
「そういう奴らよ」
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2022年9月2日 22時
