１３話 過去� 治� ページ14
原作より16年前・ノース(4)
─ノースside─
『エース、いかないの？』
「いかねェ！おれは海賊になるんだ！じじいの仕事なんかきょうみねェ！！」
そんなに大きな声出さなくてもいいのに。走ってどっか行っちゃったしホントに行く気ないんだなぁ。じーちゃんにいっしょに来いって言われてたのに。まあ、いっか。ごめんねしたらじーちゃん許してくれるもんね。
『とゆーことで、ごめんね？』
「うぐぅ、わしの孫が可愛いっっ」
「ガープ中将」
「む、よし。行くぞノース！初めての海軍本部だ！！」
『ん。おとなりいてね？ずっとだよ？』
「離すもんか〜〜！！」
「中将早く」
船の前で待ってくれてたじーちゃんにごめんねしたらだっこされてぎゅーってされた。うん、いつもとおんなじだね。海兵さんに『よっ！』ってあいさつしたらちゃんと返してくれたからこの人はやさしー人。じーちゃんがおそいからため息ついてたけども。
船に入ったら海兵さんがいっぱいいてみんなじーちゃんにビシッってしてた。何してるのって聞いたらけーれー(敬礼)っていうあいさつなんだって。真似したらじーちゃん泣いてよしよししてきた。わたし知ってる。じょーちょふあんていっていうんだ。ダダンがよくなってる。
『あ、じーちゃん。わたし上いきたい。あそこ』
「見張り台か。あそこはちと高いが平気か？」
『がけわたりよりこわいのないよ』
「それもそうじゃな！！ワッハッハ！！」
「「(崖渡り...！？自分の孫に何させてんだ！！？)」」
じーちゃんからオーケーをもらっていざ見はり台へ！柱をよじ登って行けば海兵さんたちがどよめいた。何かと思ったらわたしがあぶなそうで心配してくれたみたい。だから手をふってありがとーってしたらさけばれた。なんでだ？？
一番上まで登ってこれたから木の家に入る。窓から下を見たらじーちゃんが手をふって笑ってる。ふり返してぐるっと一周海を見わたしてみた。ゴア王国が見えて、あとは一面きらきらした青い水が広がってる。
『きれー...海ってこんなに大きいんだなぁ』
まどのふちに手をしいて頭をのっける。空をとぶカモメたちが家の周りをぐるっと回って高くとんで行く。わたしもとんでみたいな、なんてボーッと見る。お日様があったかくてねむくなって目をつぶった。それからちょっとは時間がたったと思う。
ドッカーンッ！！！
大きな音と船のゆれと、頭をぶつけたいたみで目をさました。
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2022年9月2日 22時
