１０話 ページ11
─ノースside─
「おー！ノース！お前も呼ばれたのか！」
『軍曹ちゃんに強制連行されたんだよ。じーちゃんは何呑気にお茶飲んでんの？』
「なんだ、堅苦しい空気だったんでな！ガッハッハ！ノースも飲むか？」
『お茶よりジュースがいいなー』
入室早々じーちゃんに話しかけられたから会話していれば何やら嫌な空気が流れてきてギギギ、と音が鳴りそうな程にわざとらしく首を回してみる。そこにはなんと、両手を拳にして肩を震わせているセンゴク元帥がいるではないか。目の前に。
ゴンッ！！！！
『あいたーっ！！』「いでっ！！」
「何をするセンゴク貴様ー！！わしの孫にまで手をあげよって！！」
『暴力反対！！』
「うるさいわい！！大して痛くもなかろうが、大袈裟な奴らめ！」
「相変わらずの自由人だねぇ〜」
「こんなでも実力だけは確かじゃけぇ」
「揃ったんなら始めましょーよー、おれ帰りたいんですけど」
『三大将殿こんにちはー。私も青雉さんに同意ですねー』
黄猿さんと赤犬さんの言葉が褒めてんのか皮肉ってんのかは分かんないけど、三人まとめて挨拶すれば赤犬さんに睨まれました。相変わらずお堅いなー。じーちゃんは殴られたところを撫でながらお茶を飲んでまた殴られてた。なにやってんの。
ゴホンッ、と咳をした後センゴク元帥は椅子に座りなおしたから私も青雉さんの隣に移動すればじーちゃんも隣に立った。机の上にあった手配書を一枚私たちに突き付ければ眉間にしわをよせる。センゴク元帥ストレスで老けるタイプだな。
「お前らも知っているな？先程手配された海賊の賞金首だ。まだルーキーの青二才だが警戒するに値すると判断した。ここ最近でのこやつの暴れようが主な理由だが、私はお前ら二人の身内だというのがどうにも気に食わん。ガープ、ノース、ポートガス・D・エースについて知っている事を話せ」
「わしの孫だ！」
『私の兄ですね』
「そんなこと知っとるわ！！」
「なんだと！？貴様が聞いてきたんだろーが！！」
『じーちゃんステイステイ』
ポンポンと腕をたたけば不貞腐れながらもそっぽ向いて黙った。じーちゃんは子供か？？
私はふざけたのだけどじーちゃんは大真面目だったらしい。エースが身内で自慢したいのはすごい分かるんだけどね。
『まぁまぁ、そんな真剣にならなくても。ただのルーキーですよ？第一警戒したところで無意味でしょう。元帥や大将の出る幕じゃないです。元帥、私と二人で話しましょうか』
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2022年9月2日 22時
