１話 ページ2
─ノースside─
『ひまだーー−−...』
「そんな貴女に書類持って来ましたよ」
『またー？軍曹ちゃんも大変だねぇ』
「中将の仕事が早いので苦労はしてないです」
『それは何より。なんだけど、何で中将にお付きがつくのかなぁ』
「貴女がすぐどこかに行っちゃうからでしょう」
『たまにじゃん。少しじゃん。要請には応えてるじゃんー』
「何の報告もなしに他部隊や海賊の所に行くのが問題なんですよ。ただの買い物なら私が貴女に付くことも無いです。海を泳いで渡るって何事ですか。本当に人間ですか」
『すごい言われよう〜...』
自室の机で項垂れていればお付きの軍曹ちゃんが追加の書類を持って来た。海賊討伐が主な任務ではあるがそれは要請があった時だけ。まぁ、結構な頻度で来るのだけども。それ以外の勤務時間はほとんどが書類確認と報告書作成。書類を見ればどこで何が起こったとか、誰が誰を捕らえたとか。新しく追加された賞金首や値上げした手配書の束。毎回毎回同じことの繰り返しでどうでもいいことばかり。興味ないってーの。知ってる顔があるならまだしも。
プルプルプルプル...プルプルプルプル...
ガチャッ
『はい。こちら海軍本部中将、ポートガス・ノースです』
[こちらウォーターセブン！！緊急要請願います！！相手は懸賞金８０００万の△△海賊団です！！]
『了解しました。５分程で到着予定ですのでそれまで耐えて下さい』
[了解しました！]
『軍曹ちゃんちょっと席外すね』
「今回も他の海兵連れて行かれないんですか？」
『だって軍艦遅いから。じゃ、５時間くらいで帰ってくるよ。バイバーイ』
「遊ぶ気満々じゃないですか！！ノース中将！！.....もう、真面目なんだかそうじゃないんだか」
軍曹ちゃんの大声に笑いながら扉を閉めた。厳しいようでとても優しい真面目な子だ。だからお付きに選ばれたんだろうが、誰が付いたとしても私は変わらないんだけど。軍曹ちゃんも私に付きっきりで昇格できんのかなぁ。そんなことを考えながら船のある港に向かっていれば通りすがりの海兵に話しかけられた。
「あ、ノース中将。どちらへ？」
『ウォーターセブンに。ちゃんと要請が来てるから心配ご無用だよ〜』
「それなら良かったです。またどこかへ無言で遊びに行かれるのかと思いました。任務頑張って下さいね」
『ありがとね、行ってきまーす』
似た会話をあと５回、本部を出るまでに繰り返した。いや〜、皆から慕われ過ぎてて照れるな。
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2022年9月2日 22時
