自由に生きようよ、ね【ONEPIECE】 (ページ42)

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４１話ページ42

─NOside─

ノースがモビーディック号に滞在して三日目の深夜。明日の朝には旅を再開する予定だ。

壊れた船は修復して貰い、空っぽになった小舟も繋いでいる。元々ノースの物は少ない為大した準備もなかった。

ノースの壮行会と称した宴が今夜も盛大に開かれた。甘いものが好きだと聞いたサッチは特大のホールケーキを作ってくれたり、本が好きだと聞いたマルコは医学書をくれたり、他のクルーたちにも餞別だとたくさん貰った。

たった３日でここまで仲良くなれるとはノース自身予想外だった。エースに会えるだけで良かった。それでもエースの家族と仲良くなれて嬉しかった。

今後、ノースと彼らが会う事はあっても、彼女がこの船に乗って"家族"になることはない。

白ひげにも初めに伝えた。ノースが家族でいるのはこの船にいる間だけ。尤も、そう思っているのは彼女だけかもしれないが。

そんな彼女は眠る前に白ひげの部屋に訪れていた。甲板にはエースを含めた多くのクルーが雑魚寝している。

ベッドに座る白ひげの前に椅子を置いて、行儀悪くも胡坐をかいている。

三度目のイゾウとの飲み比べに勝利して尚、他のクルーとも勝負をして全勝している。ただその分いつもよりも多くアルコールを摂取していた。詰まる所ほろ酔い状態だ。

気分が上がって、今にも歌いだしてしまいそうなくらいには上機嫌である。それを表すように部屋には水魚たちが自由に泳ぎ回っている。

『オヤジさんは海好きですか？』

「好きでなきゃあ海に出たりしねェ。悪魔の実のせいで嫌われちまってるがなァ」

『私も海が大好きですよー。好きすぎて、お魚食べられなくなっちゃいました。動物も好きです、だからお肉苦手なんです。"声"が聞こえてきそうで怖いんです』

「"声"か...生き物の声が聞こえんのか。見聞色の覇気が強すぎんだなァ」

『ふふ、生まれつきみたいです。ウミの"声"もずっと聞こえます。会話できるんです、誰も信じてくれないので誰にも教えないんですけどねー。とーっても優しいんですよ～、ここまで来れたのもウミのおかげです』

柔らかい笑みを浮かべながらいつもより饒舌に話すノースはお酒のせいで気が緩んでる上に白ひげのことを信用してか今までエースにさえ言わなかったことを次から次へと話し始めた。

ウミの存在、能力の汎用性、海王類と会話できること、プルトンの設計図を知っていること、見聞色の覇気の異常さ。

彼女は白ひげの表情が曇っていくことに気付かないフリ。

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