180 ページ34
＿No side
誰もが甲板で戦況を見守っていた。
スライ達も合流した。
Aの体調が万全でない事をスライは知っていた。
いつも彼女が自分達を宿に帰してからも動いていたのを見ていたからだ。
寝る間も惜しんで内偵を続けるAを止めようと思っていたが、彼女の性格上無理なのは分かっていたし、そもそも気付かれる事をも嫌う彼女に言える筈も無かったのだが。
白ひげが大丈夫だと判断した事で皆は心配しつつも大丈夫だと思っているようで、とてもじゃないが言い出せる雰囲気ではなく、スライはただ一人、祈るように彼女を見つめていた。
もう少しで射程範囲に入る、という所でAが海に落ちるのが見えた。
叫び声や彼女を呼ぶ声が船に響く。
誰もがその場で動けずにいる中、イゾウは襦袢以外の着物を脱ぎ捨て海に飛び込んだ。
ただひたすら、彼女を救いたい一心で泳ぎ、沈みゆく彼女の元へと向かう。
そして何とか辿り着き、彼女を抱き締めると唇を塞ぎ、自分の酸素を送り込んだ。
彼女と共に海面に顔を出したイゾウに、白ひげ海賊団は歓喜に湧いた。
｢手伝ってやれ！すぐに引き上げろい！｣
マルコの声にナミュールが飛び込み、彼女とイゾウを引っ張っていく。
その間イゾウは息をしていない彼女に人工呼吸をし続け、水を吐かせていた。
引き上げられた彼女の意識はない。
しかしイゾウの処置が早かったお陰で呼吸も正常に戻っていた。
すぐに処置室に運ばれ、怪我の手当てをされた。
出血が酷く輸血をされていたが、命に別状は無いそうで、皆が安堵のため息をついた。
しかしいつ目覚めるかは分からないそうだ。
イゾウは意識の無い彼女を風呂に入れたり、怪我により高熱を出したのを看病したりと献身的に世話をし、片時も側を離れなかった。
そんなイゾウを見た白ひげは、彼に3日間の休日を与える事に決めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 191人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルイ(プロフ) - アイズさん» はじめまして！うわぁ...とても嬉しいお言葉ありがとうございます！！これからも頑張りますね！コメント嬉しいですありがとうございました！！ (2020年9月28日 8時) (
レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！3歳になったお話もほっこりしながら笑ってしまいました！更新楽しみにしています！ (2020年9月28日 3時) (レス) id: aae8577057 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨音 | 作成日時：2020年9月25日 12時
