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赤い月が昇り始めた。
辺りが赤く光りだし、夕食を食べ終わりイゾウの膝の上でデザートを食べていたAはどこか落ち着きがない。
｢どうしたお嬢。落ち着かないな。｣
｢へんなかんじ、すりゅの。あちゅい、よい。｣
ただでさえ子どもは体温が高いのに、更に高くなっているようで、頬は上気し息も上がっている。
｢A、はしってくるよい！｣
どうやら力が有り余ってるようで、そう言ってAはイゾウの膝の上から降り、食堂を出て行った。
｢待てお嬢！｣
イゾウも追い、念の為にとマルコも後を追った。
しかし月の力でパワーアップした彼女のスピードは尋常ではなく、あっという間に見失ってしまった。
｢お嬢！どこだ？｣
｢Aー！どこ行ったんだよい！！｣
甲板と船尾、それぞれ端から探していくも彼女は見当たらない。
それもその筈、彼女は絶賛迷子中だ。
あちこち走り回っては色んな部屋に入って休憩したりしているのだから。
｢ちゅかれたよい…。おにいしゃまー？…くらいよい、怖いよい…。｣
力が余っていても3歳児の身体は眠気と疲労でもうあまり動かない。
そして眠いけど有り余る力のせいで寝れず、回らない頭でおかしな事を言い始める。
｢パイナップルおにいしゃまはマルコおにいしゃまで…フランスパンおにいしゃまはしゃっちおにいしゃまで…おひげがくるんのおじ…おにいしゃまはびしゅたおにいしゃま…。｣
彼女はどうやら見た目で名前を覚えていたらしく、思っている事を全て口に出しながらとぼとぼ歩いていた。
二人が丁度船の真ん中辺りに来ると近付いてきたその声に、イゾウとマルコは思わず笑ってしまった。
｢おうじしゃまみたいなおにいしゃまはハルタおにいしゃま、おっきいあみあみしたかみのけのおにいしゃまはぶれんはいむおにいしゃま…。｣
そしてまだまだ続いていく。
｢はちみついろのこけしおにいしゃまはきんぐでゅーおにいしゃま…みずいろおにいしゃまがなみゅーるおにいしゃま…おひげのながーいおじ…おにいしゃまが…あともしゅおにいしゃま…。｣
時々おじさんと言いかけ訂正するAが面白くて声を出して笑うと、三人は丁度鉢合わせた。
｢いじょうおにいしゃま！！マルコおにいしゃま！！寂しかったよおお！！｣
うわあーーん！と泣きじゃくる彼女を微笑ましく見つめ、イゾウが抱き上げ歩くとそのまま眠ってしまった。
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ルイ(プロフ) - アイズさん» はじめまして！うわぁ...とても嬉しいお言葉ありがとうございます！！これからも頑張りますね！コメント嬉しいですありがとうございました！！ (2020年9月28日 8時) (
レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！3歳になったお話もほっこりしながら笑ってしまいました！更新楽しみにしています！ (2020年9月28日 3時) (レス) id: aae8577057 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年9月25日 12時
