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＿No side
ここは新世界の海を進む船、｢モビー・ディック号｣。
今晩は特に綺麗な月夜だった。
甲板で一人、月見酒をする和服を纏った女形と、そこに近付く影が一つ。
｢何考えてんだよい？｣
｢…ああ、マルコか。ちょっとな。｣
彼の目には何が映っているのか。
マルコには計り知れなかった。
｢珍しいねい、少し酔ってるだろ。｣
｢…そうかもな。何故か今日は昔を思い出しちまうのさ。｣
｢聞いてもいいかい？｣
珍しく今日はマルコも引き下がらなかった。
それに女形…イゾウはくつくつと笑った。
｢…おれが昔、惚れた女の事さ。｣
｢初耳だよい。そんな奴がいたのかい。｣
｢なんだ、いちゃ悪いか？｣
そう言うイゾウの顔は楽しんでいるようだった。
普段の彼なら答えない話だろうな、とマルコは思う。
｢いや…お前は欲がねェ奴だから、色恋には興味無いと思ってたよい。｣
｢多少は遊んでんだろ？｣
｢オヤジに海賊らしくねェって言われたからだろい？｣
｢…まあな。｣
素直に話すイゾウをマルコはまだ少し不思議に思っていた。
酒に強いイゾウが酔う程飲んでいた事にも驚いていた。
｢もしかして、まだ好きなのかい？｣
｢…昔の話だと言ったろ？｣
答えるまでにあった間が答えだったのだろう。
察しの良い彼は気付いたが、あえて言う事はしなかった。
｢イゾウは欲しい物、ねェのかよい？｣
以前同じ事をオヤジにも聞かれたな、とイゾウは思い出す。
｢…ねェな。｣
｢素直じゃねェ奴。｣
｢おれが素直だなんて考えられるか？｣
｢いや。｣
｢だろう？｣
ほらお前も飲めと酒をつきだし、マルコはそれに応じる。
イゾウは勢いよく徳利の中の酒を煽った。
｢…月が綺麗だな。｣
その言葉の真意は彼しか知らない。
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雨音(プロフ) - なのさん» 逆ハー物は書いた事がないのでちゃんと書けるか不安ではありますが、楽しみにしてもらえると嬉しいです♪ (2022年7月5日 21時) (
レス) id: 95f98cf5bb (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - なのさん» ご希望に添った物とは違うかもしれませんが、実はひっそりと逆ハーっぽい小説を書いてます…！公開するのはまだ先になりそうですが、落ち着いたら公開しようかと思ってます！ (2022年7月5日 20時) (レス) id: 95f98cf5bb (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - なのさん» ありがとうございます！お話ではなく、新たな小説でしょうか？どのような物か、聞いてからのお返事でも大丈夫でしょうか？ (2022年7月5日 20時) (レス) @page39 id: 95f98cf5bb (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - ゆらゆらさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！素敵な物語に出来るように頑張りますね♪ (2020年9月11日 16時) (レス) id: a0dbe60605 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらゆら(プロフ) - ありがとうございます！昨日読み始めたばかりなのですがイゾウさん大好きなので嬉しいです！応援してます(^^) (2020年9月11日 9時) (レス) id: 7dbfdcb3b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年9月1日 20時
