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『カン十郎が描く絵、結構好きなんだよね』
「まことか！光栄でござる」
『ロビンも気に入ってるよ。絵がそのまま現れるなんて、面白い能力だわ』
「照れるでござるなぁ。しかし、A殿の能力も興味深い」
『ふふ、そう？』
カン十郎と錦えもん達がいるという場所へ向かいつつ、他愛ない会話を重ねる。
私の能力に対する反応、大体皆同じなんだよな。
「興味深いと言えば…ルフィ殿も興味深いでござる」
『あの子は動くびっくり箱みたいなもんだから』
「動くびっくり箱…それはまた、面妖な」
『本人としては、ただ素直に生きてるだけなんだけどね』
感じたまま、思うまま。
自分の信じる道を、描く夢を、ひたすら追いかけているのがルフィだ。
『ドレスローザでの諸々も…今回の、サンジを連れ戻すってのもそう』
「…これは、純粋な疑問なのでござるが」
カン十郎が立ち止まった。
少し進んだ先で私も止まり、彼を振り返る。
「何故…何故ルフィ殿は、あそこまで"仲間"を想えるのかと」
『…難しい質問だなぁ』
彼はドレスローザで、モモを追う錦えもんのため残り、ドフラミンゴに捕まったと聞いている。
そんな彼が、こんな質問をしてくるのは少し意外だった。
仲間を大切にする。
恐らくは殆どの人間が持ち合わせている感情だ。
けれど、確かにルフィは、人よりその気持ちが強い。だから不思議に思ったのだろうか。
『ルフィの考え方はいつもシンプルでね、だから理由なんてないんだけど…敢えて理由付けするなら…そうだな。嬉しいから、かな』
「…と、申すと？」
『誰かを想うことができるのが、嬉しいんだよ』
だって、誰にでもできることじゃないのだ。
想うというのは、"想う相手"がいるからできること。
『仲間がいなきゃ、仲間のために必死にはなれないでしょ？』
「ふむ…そもそも論、というやつでござるな」
『うん。はは、ほぼ私の考えの話になってるな。でも多分、的外れではないよ』
仲間を想って、必死に行動できるのが嬉しい。
仲間を想えるのが嬉しい。
仲間がいるのが、嬉しい。
「つまり御二方共、"仲間がいて嬉しい"から、"仲間のために頑張れる"と」
『そういうこと！』
「…不思議でござるな」
カン十郎の表情に、私は一瞬ハッとした。
けれどすぐ笑顔に変わり、彼は「打ち合わせしているのは、この先でござる！」と私を追い抜く。
何だったんだろう、今の表情。
――まるで、悪さをして叱られる前の子どものような。
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とうこ - ここで終わってしまうなんて残念です…続きが出たら嬉しいです (2023年2月6日 1時) (
レス) id: 5dcf8d9424 (このIDを非表示/違反報告)
tc - また読み返してきます！ (2023年2月6日 1時) (レス) id: 5dcf8d9424 (このIDを非表示/違反報告)
天子 - 続き難しいかもしれませんが、がんばってください！ (2023年2月6日 1時) (レス) @page18 id: 5dcf8d9424 (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん - ずっと続き待ってます。 (2023年1月13日 19時) (レス) @page18 id: 5dcf8d9424 (このIDを非表示/違反報告)
柚木崎はるか(プロフ) - 続きが待ち遠しいです！もう一回、最初のシリーズから読み直してきます！ (2022年11月8日 17時) (レス) @page15 id: 56c1ca58cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さやま | 作成日時：2022年10月28日 16時
