共有 ページ13
キャベンディッシュ達の助けもあり、無事に東の港近くまで来ることができた。
私とローはそのまま港へは行かず、近くの町外れにいる。
鳥カゴにより壊された街並みの瓦礫。
その中に、センゴクがいた。
「おかき食うか？」
「…いらねェよ…」
『私は１つもらいまーす』
「お、いいぞいいぞ」
海軍の元元帥。
今は「大目付」だったか。
白髪となり、ラフな服装でおかきを私に差し出す彼に、元帥当時の迫力はない。
それでも隙は無いのだから、強さに変わりはないだろう。
迫力がなくなったというより、単純に丸くなったのかな。
もらったおかきを、ローにジト目で見られながら口に放り込む。美味しいよ？
「ある日…海兵が１人、死んだんだ」
「…」
センゴクは語る。
その海兵は、彼にとって特別な存在だった。
子どもの頃に出会い、助け、息子のように育てたと。
「正直で人一倍の正義感を持ち…信頼のおける部下でもあった」
だが、生涯に一度だけ。
彼は…"ロシナンテ"は、センゴクに嘘をついた。
行くなと言った島。
行かないと、答えていた島。
彼はその島で死亡した。
「私は…裏切られたんだ。しかし理由があったはず」
センゴクは、「あの日の事件で消えたものは４つ」と列挙する。
バレルズ海賊団、彼の部下の命、オペオペの実。
「そして当時ドンキホーテファミリーにいた…珀鉛病の少年」
「…あぁ、俺だ」
「――やはりか」
"ロシナンテ"は任務でドンキホーテファミリーに潜入していた。
最後の半年間、その任務から離れたのはローのためだ。
珀鉛病を治す術を探し、ローの命を繋ぎたいと駆け回り、２人で病院を巡った。
昨日の早朝。
お互いに見た夢を話した後、私達は自分の過去をたくさん話した。
私は両親や祖父母、故郷でのこと。１人で旅していた頃のこと。
ローは家族のこと。コラさんのこと。ハートの皆とのこと。
あたたかい思い出を、たくさん。
大切な人にもらったものを、慈しむように。
「それでオペオペの実に手を伸ばし…お前を生かすために、ロシナンテは死んだんだな…？」
センゴクは、死因をはっきり知りたいのだと言う。
部下の…"息子"の最期が、どんなものだったのか。
彼が何を想い、そして何を残し、死んでいったのか。
「そうだ。本当は２人で逃げるはずだった！」
「！」
「俺はあの人から命も心ももらった…大恩人だ！！」
だから、彼に代わってドフラミンゴを討つためだけに生きてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくり - さやま様の小説いつも楽しく読ませてもらっております。夢小説にハマった最初の小説がこれで…これからもがんばってください！！ (2022年10月27日 17時) (
レス) @page49 id: 5dcf8d9424 (このIDを非表示/違反報告)
wakka(プロフ) - めちゃくちゃすごい好きです、、！！このあとも原作と絡めてずっと書いてくださいと言う悲願がかないますように、、✨ (2022年10月25日 10時) (レス) id: 804d3f4b80 (このIDを非表示/違反報告)
ミスティ - もうめちゃくちゃ好きです！すごい自分の好みドンピシャですwうまく伝えられないんですけど、家族愛というか兄弟愛とか仲間愛？がすごくいいですね！勿論ローさんとの恋愛も！応援しています！体調には無理なさらず、、、！ (2022年10月7日 0時) (レス) id: bd5baed227 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょろ(プロフ) - いつも楽しんでます🤗バースデー番外編でちょいと裏も読みたいですね（黙れ変態っ！ (2022年10月6日 18時) (レス) @page12 id: 67b3a9cf2e (このIDを非表示/違反報告)
ボンクラMONKEY ﾋﾟｰﾔの人(プロフ) - え、何だこの めちゃんこ良き作品は。凄い。夢主ちゃんマジ可愛い。結婚式呼んで。 (2022年10月6日 10時) (レス) @page9 id: 7a2b040506 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さやま | 作成日時：2022年10月5日 11時
