因縁 ページ6
「頑張れウーシー！」
「いよっ！頑張れ牛！！」
「お前らは降りろよ！」
ウーシーはピーカが入っていた石像の背を走っている。
ピーカ本体はゾロに任せてきた。
ウーシーの背には、何故かアブドーラとジェット？とかいう２人組も乗っていた。
「おい、麦わら屋」
「ん？」
「…もうやるしか生きる道がねェのはわかってる。俺も腹を決めた…！」
『…ロー』
お腹に回った腕に、また力が籠められる。
そっと自分の手を重ねた。
『…ルフィ達に提案した作戦は、遠回りに奴を潰す方法よ』
「だが本当は、俺達も自分であいつに一矢報いたい」
『さっきドフラミンゴと戦ったのは、時間稼ぎでもあったけど…刺し違えてでもって思ってはいた。でも、負けた』
今度こそ。
私もローもそう思っているのは、間違いなかった。
「１３年前…俺は大好きだった人を、ドフラミンゴに殺されたんだ」
「！！」
「彼の名は"コラソン"。元ドンキホーテファミリー最高幹部」
「え！？あいつの仲間なのか！？」
「…そうだ」
ローの命を救った人。
ローに心をくれた人。
『…"コラソン"はローの恩人。そして、ドフラミンゴの…』
「…実の弟だ」
「！？」
『ルフィ、驚きついでにもう１つ』
「まだあんのか！？」
ローが話したのなら、私も話さないとね。
フーシャ村にいた頃、旅の理由は何度か聞かれた。
しつこかった筆頭はシャンクスとガープさん。
でも当然、弟達にも聞かれたことはあった。
適当にはぐらかして、答えなかったけれど。
『私は、両親をドフラミンゴに殺されたの』
「！！？」
『…ふふ、一度も話したことなかったね。私の旅の理由だよ』
「そうか…それでAは、海に…」
「…こいつのは２０年物の決意だ。重いぞ」
『１３年も大概だけどね』
それだけの年月を経ても、私達の誓いは揺らがなかった。
だから今日。
何としても、奴を討たなくてはいけない。
「わかった。ミンゴの奴、絶対ぶっ飛ばそう！」
「…あぁ」
『やったろまい！』
改めて決意を固めた。
王宮へ続く台地が目前に迫っている。
これの１段目から４段目まで登っていかなくてはいけない。
『花言術一発なら、かけられそう。２人にかけるね』
「いいのか？」
「お前、もう少し温存した方が」
『次、いつチャンスがあるかわからないでしょ。
私は奴を潰すと同時に、２人を守りたいの』
「…ンなの、俺もだ」
『あらー、お互い様だね』
「ししっ！」
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作者名：さやま | 作成日時：2022年9月20日 16時
