姉と兄 ページ41
落下したルフィは、動かない。
覇気の使いすぎだ。
「ウィ〜ハッハ！！」
城から笑い声が飛び出してきた。
笑い声はそのまま街へ飛び降りていく。
口にしていたのは、"ゴムゴムの実"を欲しているとわかる発言。
「ジーザス・バージェス！何故王宮に…！」
『…ルフィを狙ってるようね。ロー』
「…チッ、わかった」
もう"３分"は経った。
立ち上がり、軽くジャンプしたり腕を伸ばしてみたりする。
『めちゃくちゃ身体軽くて笑える』
「…うるせェな。俺の腕も、もう動くぞ」
『そりゃ何より！』
バキバキと途轍もない音がした。
ドフラミンゴが動き始めたらしい。
しぶといというか、ここまで来ると生命力ありすぎてびっくりする。
何回か屈伸運動もしてから、【黒靴】を発動した。
回復はしたが、能力の乱発は無理だ。
ルフィを助ける方に回ろう。
『ローはもう少ししてからおいで』
「あぁ…すぐに行く」
「おい待て、どこへ行こうと…」
『キャベンディッシュ、後でまたお礼させてねー！』
次に会う時は、全て片付いているだろうから。
助走をつけ、私は台地から飛び出した。
【黒靴】で跳ねながら、ルフィがいる場所を確認する。
ルフィの前に、赤いトサカが見えた。
その近くには、目つきの悪い男の集団。
「１０分だ！！頼むぞお前ら！！」
「「「ウオォォ〜〜！！」」」
『…また味方を増やしたか』
赤いトサカがルフィを背負い、男達の半数がその後に続いて移動する。
横からジーザス・バージェスが飛び出した。
空中を蹴り、一直線にそちらへ向かう。
「ウィ〜〜ハッハ！！死ね"麦わら"ァ〜〜〜！！」
顔面を狙うか、と思ったが考え直す。
私は腹だな。
ルフィに飛びかかろうとしているバージェス。
その顔と腹に、同時に蹴りが入った。
腹に入れたのは、私。
【黒靴】で強化された蹴りだ、相当痛いだろう。
顔に入れたのは…
「A…サボ…！！」
すたっと地面に降りる。
数メートル離れたところに、彼も降り立った。
『よっ、元気？』
「…あっさりしてんなぁ。ルフィとはもっと感動の再会だったんだが」
『おや、文句？そんなこと言うなら、頭撫でてあげないよ』
「待て待て、冗談だよ！はい、頼む！」
からかい半分で言えば、慌てて駆け寄り頭を差し出した、３人目の"弟"。
もう嫌がられるかと思ったのに。撫でてほしいんかい。
お望み通り撫でてやると、彼は目を細めた。
『久しぶり、サボ』
「久しぶり！A！」
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作者名：さやま | 作成日時：2022年9月20日 16時
