自由の瞳 ページ35
"ＲＯＯＭ"は一瞬で消える。
私がいた場所には瓦礫が転がっていて、ローと共にベタベタに捕らわれている。
…残っていた僅かな力を、振り絞った？
『なん、で…ロー…！』
それなら、自分を守るために使えばいいものを…！
「…ロー。やはりお前は、温くなったな」
ドフラミンゴが静かに言う。
トレーボルはまだ怒っていて、ローの方へ歩み寄っていた。
「コラソン…そしてAに出会い、変わったか」
「…俺は、あいつの瞳が好きなんだ」
『！』
ここからでは、ローの表情は見えない。
少し、ほんの少しだけ、視界がぼやけた。
どれだけ攻撃を受けようと、どれだけ全身が痛もうと、一切滲みもしなかったのに。
「海と空の…自由の瞳。コラさんが俺に望んだ"自由"が、そこにある気がするんだ」
溢れそうになる涙を、ぐっと堪える。
泣いてたまるか。
「お前には…お前らにはわからないだろうな…所詮"家族ごっこ"をしているだけで、愛なんてねェんだから！！」
ローは左手で、服の胸元辺りを握った。
その裏ポケットには、私が贈った組紐があると知っている。
組紐は、相手を想って編む。
彼の組紐に込めたのは…
どうか元気でいてくれますように。
彼の本懐を遂げられますように。
――自由で、いられますように。
「ん〜〜〜何を〜！？ドフィ、どけ！このガキに教えてやる…！」
ローの発言で、トレーボルの怒りが加速したらしい。
ドフラミンゴを押しのけ、トレーボルは"ドフィと俺達の絆"を語る。
ドフラミンゴと、４人の腹心の部下…否、奴に言わせれば「家族」。
トレーボルが動いたことで、その身体に捕らわれていたルフィも動く。
仕込み杖のライターに火を灯した。
「…そう思ってんのはお前らだけだ、トレーボル」
「ぬあ！？」
「俺の目にはお前ら全員、ドフラミンゴの間抜けな操り人形にしか見えねェ…！」
ローはさらにトレーボルを煽る。
トレーボルは火のついた杖を振り上げ、ローの"ＲＯＯＭ"へと踏み込んだ。
ドフラミンゴが止めるも、「動けないのだから反撃などできやしねェ！」と聞かない。
「ゲホッ…俺も一船の船長…しかも後ろには惚れた女…２人共麦わら屋任せじゃ、面子が立たねェ…！」
…ようやく呼吸は少し落ち着いてきたってのに、心臓のドキドキが止まらない。
「"タクト"」
ローの"右手"が鬼哭を持って、"飛んでくる"。
トレーボルの身体に突き刺さった。
「"
「ピギャ〜〜！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さやま | 作成日時：2022年9月20日 16時
