えれェところ ページ1
ASide
空を漂っています。
というか、落ちています。
『あばばやっぱり結構怖いいいい』
「おいA、もっとちゃんと掴まれ」
『んなこと言われても力が出ないこなくそおおお』
「おー、やりゃできんじゃねぇか」
落下の中、ゾロに言われて何とかしがみつく。
海楼石の錠と怪我の蓄積のせいで、ろくに力が出ないのだ。
錠のかかった両腕をゾロの首に回せば、彼は何やら楽しそうに私を褒める。
その視線がローに向いているなど、あまつさえローが眉を寄せて舌打ちしているなど全く気付かず、私は落下の浮遊感に耐えていた。
「ししっ！もうすぐ地面だ！」
『はやく地面に足つけたいいいい』
高所恐怖症とかじゃないけど、自分が身動き取れず、予想のつかない動きで空中にいるとさすがに怖い。
しかも動きを先導しているのは、ルフィである。
我が弟ながら、自由奔放さは折り紙付き。
ルフィは身体を膨らませたままどんどん落下、地面でバウンドした。衝撃が凄い。
「おおおお！」
その衝撃で風船状態の身体が一気に萎み、ルフィはゾロの身体を離した。各々着地する。
ローはルフィ、私はゾロに抱えられたままだ。
あれ、結局足ついてないね？
「麦わらのルフィ！！」
「トラファルガー・ロー、ミエット・A！！」
「海賊狩り！！」
「えれェところに落っこちた！！」
海兵とセニョール・ピンク、マッハ・バイス、デリンジャーか。
視線を巡らせ、確かに凄いところに落ちたなと苦笑した。
「おい麦わら屋、錠が解けたらまずお前から潰してやる」
『ロー、私の弟だ…耐えて…ゾロ、このまま戦えるの？』
「問題ねェ、お前軽いし。もっと強く掴まってろ」
『わぁイケメンコメントありがと！でももっと！？これでいい！？』
「…ゾロ屋、てめぇも消してやる」
『こっっっわ』
「ははっ！！お前のそんな顔見れるの、面白すぎてついな！」
「トラ男、顔こえー！おもしれー！」
ねぇ何なのこいつら、揃いも揃って自由過ぎない？？
ローはこの世のものとは思えない形相でこっち睨んでるし、ゾロはずっと楽しそうだし、ルフィは訳わからんけど面白い！ってノリだ。私を置いていくな、泣くぞ。
だが、泣こうが喚こうが動くしかない。
私達にとって、国中が敵なんだから。
「とにかく走るぞ！」
『ゾロ、そっちじゃない！』
「麦わらもだ！こっちでもねぇ！」
「受刑者だ、追え〜〜！！」
先が思いやられる〜〜〜！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さやま | 作成日時：2022年9月20日 16時
