再会 ページ43
ローSide
面倒だ。
長い潜水だった。
ペンギン達が「いい加減空が見たいっすキャプテン〜！」と騒ぎ始め、他の船員達も限界が来ていた。俺も外の空気が吸いたくなって、つい船を海上にあげる許可を出した。
空と外の空気を味わっていたら、敵船が現れ、襲撃を仕掛けてきた。
非常に面倒だ。
「"ＲＯＯＭ"」
半円が甲板を包み込む。
背負っていた鬼哭を鞘から抜き、振るう。
「"
鬼哭に斬られた連中の身体はバラバラになり、それらを適当に接合しておく。
周囲では、ベポ達も戦闘していた。相手の海賊に実力で劣る部分はない。
ただ、数だけはやたらと多かった。
やはり、面倒である。
『うわ、何か多くない？』
「「「！？」」」
突然、頭上から声が響いた。
戦闘の喧騒の中でも、何故か耳に届いた。敵も味方も関係なく、その場にいた全員が空を見上げる。
その飄々とした物言いと落ち着いた声色は、３年前にも聞いたもの。
その青く揺らめく瞳は、３年前にも視線を引き寄せられたもの。
３年前…出会って、別れて以降、もう一度話がしたいと思っていた女の姿が、そこにあった。
「A！？」
『やぁベポ、久しぶり。ピンチ？』
彼女は空中にある半透明の立方体の上に立っていて、それが３年前にも見た彼女の能力の「結界」だろうと予想をつける。
「ピンチではないけど…ちょっと面倒臭い！」
『あはは、そっか』
ベポの正直な感想に、３年前と変わらぬ笑いを零した。
その笑い声ではたと正気に戻ったように、戦闘が再開する。
シャチの背後に、刀を振りかぶった敵が見えた。
シャチは未だ空中にいる彼女に気を取られてか、目の前の敵に集中してか、それに気付かない。
「っ、シャンブ」
『結界術【結】』
「！？」
「うわっ…これ、Aちゃんの」
"シャンブルズ"をしようとしたが、途中でやめる。
シャチの後ろにいた男は、立方体状の半透明の箱に囚われていた。
『シャチ、大丈夫？』
「え、あ、あぁ…！ありがとう！」
『どいたま。ロー！加勢するよ、いい？』
「…チッ、好きにしろ！」
『やったぁ』
シャチの隣に降り立ち、俺に向かって大声で確認した彼女は、返事を聞いて笑った。
３年振りに見るそれは、何故か妙に眩しかった。
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うみ(プロフ) - 読んでいく内に作者さんとはアニメの好みが似てる気がしてきた。Dグレいいですよね……！！！ (2022年9月3日 22時) (
レス) @page50 id: 9a2ffdd6e5 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃ好きです！！更新楽しみにしてます！ (2022年8月31日 4時) (レス) @page28 id: d0a5d42c58 (このIDを非表示/違反報告)
つな(プロフ) - あまりにも素敵なお話しすぎて感動してしまいました、更新楽しみにしてます！ (2022年8月31日 1時) (レス) @page28 id: 552499de56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さやま | 作成日時：2022年8月29日 16時
