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数か月前
「…少し前になぁ、面白い話を聞いたんだ。
ここ数年、海賊を潰しまくってるっつー女の話だ」
旅人と名乗った私に、キッドはニヤリと笑って続けた。
「その女がな、何者かと問われると必ずこう返すらしい…「ただの旅人」だとな」
瞬間、私は店主に金を渡して、「釣りはいりませんご馳走様でしたぁぁ！」と駆け出した。
だってキッド怖い！！
彼はローと違って、善性ではなく悪性よりの人間だ！相手したくない！！
ちなみにローが善性の人間なのは、原作もだけど、彼のノベライズを見れば火を見るより明らかである。前世で生きている皆、良ければ読んでくれよな！私は一体誰に宣伝してるんだ。
素早く回転させる足は止めず、後ろを振り返る。
とんでもない勢いでキッドが私を追ってきていた。
『何で追いかけてくるんですかぁぁぁ』
「ハハ！「流浪の義賊」、一度やり合ってみたかったんだ！」
何それこわ〜〜〜い！！
『結界術【結】』
「！！」
島を駆け回りつつ、術を展開する。
結界に飛び乗り、さらに次の結界を張っては飛び乗り、空中へ逃げていく。
幸い、この勝負にはリミットがあった。頑張れ私。
「そういや、「流浪の義賊」は能力者だっつー話だったな…」
キッドは能力で、周辺の鉄を自分の腕に集め始めた。
島の人達は突然の私達のバトルに、困惑している。
やばい、一般人に被害が出ないようにしないと。
『結界術【礎】』
彼が集める鉄にぶつからないよう動き続けながら、その腕に注目して術を使う。
『【結】』
「うおっ」
彼が振り回そうとした鉄の腕は、私の細かい結界がいくつも浮かんで動きを阻んだ。
ダメ押しでもう一発…！
走り続ける足が、地面を踏む瞬間に言葉を発する。
『呪術【縛】』
「！チッ、このアマ…」
彼の腕の鉄と、まだ周辺に舞っていた鉄が、紐状に形を変える。
そのまま腕やら足やらを地面に縛り付けた。
ここで勝負あり、だ。
私は逃げ続けて、島の港まで来ていた。
そこには海軍の船がある。
『おいそこの海軍仕事しろ〜！キャプテン・キッドがいるよ〜！！』
「何っ！？」
「！海軍か！おい、待て！」
「キッド！…っておい、あれ「流浪の義賊」じゃないか！？」
「マジかよ！しかし…キッドを放っていく訳にはいかんだろ！」
私は自分の船に飛び乗って、即座に出航した。
見回りの海軍が今日来ることは、街で島民から聞いていた。
そんなこんなで、私は辛くもキッドから逃げ果せたのだった。
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うみ(プロフ) - 読んでいく内に作者さんとはアニメの好みが似てる気がしてきた。Dグレいいですよね……！！！ (2022年9月3日 22時) (
レス) @page50 id: 9a2ffdd6e5 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃ好きです！！更新楽しみにしてます！ (2022年8月31日 4時) (レス) @page28 id: d0a5d42c58 (このIDを非表示/違反報告)
つな(プロフ) - あまりにも素敵なお話しすぎて感動してしまいました、更新楽しみにしてます！ (2022年8月31日 1時) (レス) @page28 id: 552499de56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さやま | 作成日時：2022年8月29日 16時
