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ローSide
『ベポ達、遅いねぇ』
「…」
『島民達に呼び止められてるかな…』
隣で１人、喋り続ける女。
Aと名乗ったこいつは、この島にいた海賊を蹴散らし、島民の窮地を救った。
身長１７０センチ程の女だ。女にしては高い身長でも、俺から見れば十分小柄。
ベポ達との会話によれば、俺より１つ下の１５だと言う。
その見た目や年齢に反して、こいつは圧倒的に強かった。
何の実を食べたのか、能力を巧みに操り、類稀な体術と併せて海賊団を潰した女。
妙に興味を惹かれた。
『…あの、ローさん？そんなにジロジロ見られると居たたまれないんだけど』
「…チッ」
『えぇ…舌打ちぃ…？』
潰した海賊共を引き渡すため、こいつは島民に海軍を呼ばせていた。
海軍が来る前に出航しなくてはいけない。
ベポ達が買い出しをしているが、こいつの言う通り島民に引き留められているのか、時間がかかっていた。
『さて。私も海軍が来る前に行かないと。島の人に食材を貰ったお陰で買い出しの必要はないし、もう行くね』
「…お前海軍に追われてるのか？」
『ただの旅人なのにね〜』
ただの旅人は海軍に追われねえだろ。
ベポ達はこいつを「良い人！」と気に入っている。
そりゃ、悪い奴ではないのだろう。見ず知らずの島民を助けるくらいには。
シャチやペンギンに関しては、「美人だ…」と目を輝かせていたくらいだ。
確かに、顔立ちは整っている…と思う。今までに出会った女の中では、一番。
「(……俺は何を考えてんだか)」
『最後に１つ、何でも質問に答えるよ』
脈絡もなく言い出した。本当に謎だ。
気になることはある。本当にこいつは何者なのかとか、能力の詳細だとか。
だがそれを尋ねても、こいつはまともに答えないだろう。
「…名前は」
『ん？』
「フルネーム。Aってのは下の名前だろう」
『あぁ、そういうこと』
何故それを聞こうと思ったのかは、わからない。
単なる気まぐれだ。
『ミエット・Aだよ』
「…ミエット？」
どこかで聞いたことがあるような気がした。
それがどこで、いつの記憶なのかは思い出せない。
こいつはそんな俺の様子に気付いているのかいないのか、笑った。
『ロー、またね』
「…「またね」？ハッ、広い海で二度目があるとは思えないが」
『そうだね。でもきっと私達、また会えるよ』
意味がわからなかった。
海賊じゃないというこいつと俺が、また会う？
『…だって私達、「目的」が同じだもの』
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うみ(プロフ) - 読んでいく内に作者さんとはアニメの好みが似てる気がしてきた。Dグレいいですよね……！！！ (2022年9月3日 22時) (
レス) @page50 id: 9a2ffdd6e5 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃ好きです！！更新楽しみにしてます！ (2022年8月31日 4時) (レス) @page28 id: d0a5d42c58 (このIDを非表示/違反報告)
つな(プロフ) - あまりにも素敵なお話しすぎて感動してしまいました、更新楽しみにしてます！ (2022年8月31日 1時) (レス) @page28 id: 552499de56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さやま | 作成日時：2022年8月29日 16時
