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山賊は自分の手配書を見せて、自慢話を始めた。
特段自慢になるような話ではない。
「わかったら今後気をつけろ…」
シャンクスは床にしゃがみ込むと、割れた酒瓶の欠片を拾った。
私も立ち上がって、隣に座って呆然としているルフィを引っ掴んで抱き上げる。
シャンクスと一瞬、目が合った。
「悪かったなぁ、マキノさん。雑巾あるか？」
「あ、いえ…私がやりますよ、それは」
いきなり何だとルフィは私を見上げるが、とにかく今は離れておいた方がいい。
この山賊、凄い面倒臭い奴だった覚えがある。
名前は思い出せないけど。さっきの手配書、私にはちゃんと見えなかったし。
「……」
「「！！」」
そら見ろ。
山賊は刀を抜くと、シャンクスの後ろにあるカウンター辺りを一閃した。
「掃除が好きらしいな。これくらいの方がやり甲斐があるだろう」
山賊はそれで満足したのか、「じゃあな、腰ヌケ共」と言い残し、酒場を出て行った。
…名前、最後まで思い出せんかったわ。
「船長さん、大丈夫ですか！？」
彼はカウンター前に座り込んだままだったが、マキノさんに問題ないと返し、「ぷっ！」と吹き出した。
「っだーっはっはっ！何てザマだ、お頭！」
「派手にやられたな！」
「はっはっは！」
「なんで笑ってんだよ！！」
大爆笑しているシャンクス達に、腕の中でルフィが叫ぶ。
その場に降ろしてやると、「あんなのかっこ悪い！」とまくし立てた。
その間に、私はハンカチを出してシャンクスの顔を拭った。アルコール塗れだ。
酒を拭いながら、怪我がないか簡単に視診しておく。
えぇ、本当に無傷なんだけどこの人。頭で酒瓶カチ割ったのに…？どんな石頭？てかイケメンだな？
『これ、ハンカチじゃキリないな。マキノさん、タオルください〜』
「あ、うん！待ってて！」
「ありがとな、A。すまん！」
『ほんとにね。お陰で私まで酒臭い』
「ハハッ、悪い悪い！破片で怪我してないか？」
『大丈夫。これまたシャンクスが庇ってくれたお陰でね』
「…ほぉ、気付いてたのか」
山賊が酒瓶を割った時、シャンクスは隣の私への被害が最小限になるように、身体の向きを調整していた。
「もう知らん！弱虫がうつる！」
怒って酒場を出ていこうとしたルフィを、シャンクスが腕を掴んで止めようとする。
その腕が驚異的に伸び、ルフィが「ゴムゴムの実」を食べてしまったことが発覚。
ルフィは、二度と海を泳げない「ゴム人間」になった。
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うみ(プロフ) - 読んでいく内に作者さんとはアニメの好みが似てる気がしてきた。Dグレいいですよね……！！！ (2022年9月3日 22時) (
レス) @page50 id: 9a2ffdd6e5 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃ好きです！！更新楽しみにしてます！ (2022年8月31日 4時) (レス) @page28 id: d0a5d42c58 (このIDを非表示/違反報告)
つな(プロフ) - あまりにも素敵なお話しすぎて感動してしまいました、更新楽しみにしてます！ (2022年8月31日 1時) (レス) @page28 id: 552499de56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さやま | 作成日時：2022年8月29日 16時
