君は甘い私の所有物 ページ21
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「たーくちゃん♡」
そう言いながら後ろから抱きつく犬飼。
「Aちゃん、俺そろそろ背後から刺されそう」
今でもみんなのアイドルである犬飼にデレデレされるなんて、多くの男たちが泣くほど羨ましいポジションである。
しかし、自分より年下の彼女に可愛がられるのは正直複雑
「ふふ、そしたら私がやりかえすよ！」
「物騒だから辞めて」
いつもの如く苦笑いを浮かべる八代とは反対に今日も彼女はきゃっきゃと楽しそうだ
「あ、ねえねえ拓ちゃん足何センチ？」
「？27だけど」
「ぴった！これあげる！！」と半強制に押し付けた、有名なメーカーの紙袋。
「え、かっこいい！いいの？」
中身はかっこいいスタイリッシュな靴。
「うんあげるー」
「本当にいいの？誰かのプレゼントとかじゃなくて？」
「ハヤテくんに買ったの、でもハヤテくんのサイズに合わなくて……」
「確認してから買いなよ(笑)でも本当に嬉しい、ありがとう！」
「ふふ、どーいたしまして！拓くん似合いそうだなと思ってたの！！
あ、でもハヤテくんの次にね」
「…ブラコンめ！」
度々出てくる弟の名前。
犬飼自身、芸能界では“みんなの妹”なだけあって随分と甘やかされているが、実際のところは長女である。
……お気づきだろうが、この女、実の弟には八代以上に甘い。
うざがられるけど、嬉しそうなのが顔に出ていて可愛いらしい(A談)
「いらなかったら誰かにあげてね」
「いらないわけないじゃん、いっぱい履く、いっぱい自慢する」
「そんな喜んでもらえると拓くんにあげてよかったよ」
大事そうに紙袋を抱える八代に犬飼はそう微笑んだ
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作者名：凜 | 作成日時：2022年11月13日 21時
