其の六 ページ6
「そんなことは、あたしが、させない！」
静御前はひしと、和也姫を抱きしめました。
ある日、智宮は狩りに行くついでに、
不意をつき、和也姫の屋敷をおとづれました。
御簾の中に入ると、光に満ちて清らかに
坐っている、いたいけな姫がいました。
智宮は初めて見た和也姫の類ない美しさに、
息を呑みました。
「御所においでなさい。
私の宮にあなたのために新しい屋敷を
増築しよう。何不自由ない暮らしができる。」
そっと、その小さな手をとって、
その手の甲に口付けました。
「お許しを。
わたくしには生涯を誓った許婚が、
かなたにおります。」
和也姫は口眉をかんだ、
今まで、親が勝手に決めたフィアンセだって、
Jをさんざん、存外に扱ってきた。
生まれたときから伴侶が決めれれてるなんて
ありえない！と反抗した。
凛々しく育ったJが他の姫や貴族の令嬢に、
もてるのは、仕方のないことなのに、、、
なんか、むかむかして、気がついたら、
タイム・ワープなんかしちゃって、、
神輿を寄せて連れて行こうとした皇太子に
「いやっ！」
和也姫はその手を振り払い、一瞬のうちに
姿を消して光と化してしまいました。
瞬間移動は時空軸のはっきりしない
この惑星では、危険をきわまります。
へたしたら、海の底とか。
「やっべ。」
静御前の屋敷の中庭の蓮の池につっこんだ
和也姫は、大きく息を吐きました。
チェックメイト。
皇太子は何が何でも私を召し上げるだろう。
仕方なしに、和也姫は月の救援隊に時空間の
位置知らせるシグナルを送りました。
摂政皇太子大野智宮の、なにもなくなった、
手のひらに、かすかな和也姫のやわらかい手の
感触がよみがえります。
これは、本当に噂のように、このものは、
地上の人間ではないのかと智宮は思いました。
それが、より一層、このなよやかな姫を
手に入れたいと思う気持ちを強く、
抑えがたくしてしまいました。
智宮は、魂をその場に留め来てしまった
心地で、和也姫を残して御所に
帰って行きました。
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つむぎ(プロフ) - シロさん» シロさん、コメ、あーざーす。あわてて、他ブラウザー立てて、更新できました。開けてびっくりのヒット数、なにごとじゃ。こんなめちゃくちゃなお話でも、楽しんでくださって、光栄です。 (2015年8月29日 1時) (
レス) id: c6db647c42 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - つむぎさん！このシリーズも大好きです。かづや姫、最高です(^^)静御前のレア物のチョイスにもニヤニヤしてしまいました。続きをいい子で待っています。 (2015年8月29日 0時) (レス) id: 0897474c5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむぎ
作成日時：2015年8月28日 0時
