其の伍 ページ5
結局、和也姫が出した難題をこなした者は
誰一人としていなかったのです。
そんな様子が都の朝廷の帝の嫡子、
摂政皇太子、大野皇子智宮にも伝わりました。
皇子は姫に会いたがって、静御前に
使者をたてました。
喜ぶ静御前のたっての願いにもかかわらず、
和也姫は、
「皇太子がお召しと仰せられたとしても、
いやなものはいやです。断ったからって、
畏れ多いとも思いません。」
とぷいっとそっぽを向きました。
使者にたった、第六皇子、智君の異母兄弟の
櫻井皇子にも愛想を見せようともしません。
「ツンデレにもほどがある。」
と静御前は、はらはらしましたが、
翔君は帝の嫡子にもなびかない、
清廉な和也姫にときめいてしまいました。
唇を尖らせた、姫の綺麗な横顔、
白糖のような頬から、目が離せません。
翔君のドストライクゾーンです。
「あなたが男子だからということを
お気にかけておいでなら、それは大丈夫です。
ここだけの話、皇太子はバイなので。」
和也姫は目を丸くしています。
いったい、どこで、ばれたのでしょう？
「へー、そーなの？ふーん。」
なぜか、静御前は満面の笑みを
浮かべています。
「と、とにかく、お断りします！」
和也姫の返事を腹違いの兄に
報告に行くと、智君は、
「ふーん、さすが多くの都で名高い、
プレイボーイの公達の恋心を瞬殺してきた
姫であることよ。」
とつぶやきました。けれど、よけいに、
この姫の心積もりに負けてなるものかと
諦めない決心をしてしまいます。
和也姫は、静御前に、
「皇太子が、無理にお仕えさせようと
なさるのならば、わたくしは、この世から、
消え失せてしまうつもりです。」
と暗に天の羽衣というシールドが
あることを匂わせます。
「お母さまに皇子が官位をくださると、
おっしゃるのなら、ご養母様がそれを
お受けになった後に、
消え失せてしまいます。」
というではありませんか。
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つむぎ(プロフ) - シロさん» シロさん、コメ、あーざーす。あわてて、他ブラウザー立てて、更新できました。開けてびっくりのヒット数、なにごとじゃ。こんなめちゃくちゃなお話でも、楽しんでくださって、光栄です。 (2015年8月29日 1時) (
レス) id: c6db647c42 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - つむぎさん！このシリーズも大好きです。かづや姫、最高です(^^)静御前のレア物のチョイスにもニヤニヤしてしまいました。続きをいい子で待っています。 (2015年8月29日 0時) (レス) id: 0897474c5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむぎ
作成日時：2015年8月28日 0時
